保育士が有給は取れない?私はこうやって有給を取りました
保育士の今出川麗子です。
このコンテンツでは下記の方が対象です。
- 有給をとりたい保育士さん
対象者は続きをお読みください。
保育士は有給を取りにくい?
保育士として働いている人の不満の中で残業問題が大きく取り上げていますが、それとともに、保育士に与えられる有給休暇も大きな問題になっています。
不満を抱えている人の多くが、 有給休暇を取りたくても取れないという実態を挙げられています。
世間でも、労働者が有休休暇を取りにくいという実態があるようですが、保育士の仕事がハードな職業なので、有給休暇が必要な場面は多く出てくるはずです。
それを がまんして働くことは、本人にとっても保育園にとってもよくありません。
それは、保育士の心身の問題もありますが、それがひどくなった時に退職や転職という形で表れてしまい、園側にとってもまた新たな募集をかけなければならなくなるからです。
有給休暇とは、
「10人以上の職員がいれば「雇用の日から6ヶ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した」という条件を満たせば、雇用形態がどうであれ取得できる。」と定められています。
また、「請求した時に有給休暇を与えることができない(事業の正常な運営を妨げることになる)場合は、他の日に有給休暇を与えることができる」という但し書きもあります。
保育士は、年中行事が多く、保育園によっては 「年中行事が終わったと思ったら、すぐに次の行事の準備が始まる」という状況のところもあり、 そうなると、「有給休暇をいつ取るの?」ということになってしまうのです。
保育業界に関する有給の実際
国の保育士設置基準では、
0歳児 | 3人に保育士1人(3:1) | 1・2歳児 | 6:1 | 3歳児 | 20:1 | 4歳以上児 | 30:1 |
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※ただし、保育士は最低2名以上配置とあります。
参考元:保育士養成について
年齢によりますが、先生1人にあたり園児○人までという決まりがあり、配置人数を下回って園児を預かることはできないのです。
このことからわかることは、保育施設を経営する側にとってみると、もしぎりぎりの人員配置をしていますと、誰も有給休暇をとることができない状況ということになります。
また、年中行事にある運動会や作品展などの前の忙しさは人に話せないほどです。
そんな状況の中では、保育士みんなが有給休暇の話などする余裕もなく、また、言い出すことができない雰囲気になっています。
ただ、このような 年中行事の時期には、保育士も体調管理に十分留意して、よっぽどのことがない限り休むことはありません。
保育園の実情として、こんなこともあります。
長期休暇やお盆休みや年末年始にはきっちりとお休みにする園がほとんどなのですが、保育園が多様化している今、そのようなときにも保育を行っている園があるのです。
このような実情があるのですから働く前に、 保育園訪問や面接の時に確認することが大切 です。
公立か私立、認可か非認可によっても開園時間や曜日等も違いますので要注意です。
転職する際の詳細は 保育士の転職活動で見極めないと後悔する6つのポイント をご覧ください。
みんなどうやって有給取ってるの?スムーズに取る方法
以前は月に5,6日のお休みだったようですが、世の中が週休2日になってきてからは、保育士も週休2日制を取っている保育園が増えています。
ただ、現実としては、 土日連休の園は公立の保育園ぐらいのようです。
その対策として、月8日を休日にして、シフトを組んで休みを取るようにしているのです。
このように 保育園自体が、「保育士の休み」について敏感になっていますので、有給休暇のことなど、考えられない園もあるのです。
労働基準法では、上記の項でも述べましたが、有給休暇についての定義があります。
また保育業界に関する有給の実際というものがあります。
そんな中でいったいどうやって有給休暇を取ればいいのでしょうか。
それは、年中行事等を考えて、計画的に取得するしかないと考えられます。
それは、保育園の実情を見ればよくわかります。
突発的有給休暇は別として、必要なことは、計画的に有給休暇を取ることです。
有給休暇を計画的に取るのは夏ということになります。
それは、年中行事のスケジュールをみれば分かります。
年中行事以外の月行事も含めて、春や秋は、保護者の方も含めた行事が多くたいへん忙しいということです。
また、冬の時期には、クリスマスやお正月の行事、耐寒行事もありますので取りにくい時期です。
夏に、他の保育士さんと相談して計画的に取得することです。
有給を全うするために園側が行っている施策
有給休暇を取りにくい状況にある保育園において、 園長先生が取得できるような規定を制度化したものが有給休暇の計画的付与 です。
計画的付与には、次のようなものがあります。
- 幼稚園の夏休み等の園全体に関わる休業の付与
- クラス単位の交代付与
- 結婚や出産など休暇管理簿によって行う個人別の付与
このような計画的付与を行うには、園長先生と職員代表によって労使協定が必要なのです。
園長先生の立場からすると、各職員に計画的に付与した方が、園の運営はやりやすいということが言えるのはお分かりでしょう。
(ただし5日分の有給休暇は残しておかなければならない…突発的な出来事で職員が有給休暇を取るため)
有給休暇は計画的付与で
園側が行っている施策としては、有給休暇を園全体で管理するという方法です。
上述のように園長先生が計画的に付与する形ですと管理はしやすくなるのです。
多くの職員を抱える保育園では、特にしっかりと管理して 職員に有給休暇を取得してほしいという思いは持っている ようです。
その裏があるのです。
忙しい時にまとめて取られたら困る、何人も一斉に取られたら困るというわけです。
このように見ていくと、有給休暇をどう取得するかは、園が提示する計画的付与をうまく利用するほかないようです。
ですから、計画的付与がきちんとなされていない園に対しては、 計画的付与をしてくれるように園側に申し入れる必要があります。
今言えることは、園長先生が
「計画的付与をするから有給休暇を利用してしっかり休んでください」
と言われる保育園は、職員のことを思ってくれているということになります。
計画的付与がきちんとなされていない園に対しては、計画的付与をしてくれるように園側に申し入れる必要があります。
パートの保育士は有給取れる?
保育士の正社員は、採用後6か月に10日の有給休暇が与えられます。
保育補助として働いているパートさんはどうなのでしょうか。
結論は、有給休暇はあります。
労働条件の問題が、世の中で大きく取り上げられてきてからは、かなり変わりました。
もらえる日数は次のようになっています。
- 平均週30時間以上働いている
- 週5日以上勤務している
どちらかを満たしていれば、正社員と同様10日与えられます。
この条件は、パートだけでなく、主婦でも学生などのアルバイトや準社員などにも時給や日給、月給などの雇用体系に関わらず与えられるのです。
ただ、正社員と同じように有給休暇が取りにくい現状であることは間違いありません。
【体験談】私はこうやって有給を取っていました
Aさんの場合…
2年目までは有給休暇は、ほとんどとれませんでした。(ひどい病気の場合だけ)
でも、3年目に、園長先生が「計画的付与」のお話をされ、年度内に8日の有給休暇を、同僚との話し合いで決めるように言われました。
そう言っていただくだけでやっぱり心身ともにかなり楽になりました。
ですから、お言葉に甘えて8日いただきました。
計画的付与は、大きな年中行事の次の日(日曜が行事の場合は、月、火と続いて)にいただけましたのでリフレッシュして次の日に勤務ができています。
私の勤務するような保育園はほかにもあると聞いています。
計画的付与があれば、残りの有給休暇については、別にいらないように感じています。
Bさんの場合…
中でも今の園のお話をします。
採用されたときに、園長先生が「有給休暇は必ず取ってください」と言われ、年度初めに計画を立てました。
私の場合は5日いただきました。(人によって自由)
私は健康な方なので、有給休暇はそれだけで十分でした。
というのも 子どもたちに会いたくて仕方がないからです。
どの子も個性的でかわいいので休むのはもったいない、一日でも長く一緒にいたいからです。
こんな考えでいますので、同僚からは少し冷たい目で見られることもあります。
「もう少し休んだら」とも言われますが、「子どもと一緒にいたいから」とわがままを言っています。
同僚は、平均8日ぐらいは有給休暇を取っているようです。
でも有給休暇は必要なものだとは思っていますよ。
元気な時はいいですが、病気になったら有給休暇に頼らないといけないわけですから。
【こういう園は避けて転職活動しよう】
有給を取りにくい園の特徴
有給を取りにくい園の特徴
保育士として有給休暇の取りやすい職場に転職するにはどうすればいいでしょうか。
まずは 転職での保育園訪問や面接の時に計画的付与がきちんとなされているか確認しましょう。
今の保育園の実情を考えますと、これが一番の方法ではないでしょうか。
ただ、計画的付与されている園を探すのはたいへんです。
また、転職の説明では「有給が取得しやすい」という説明があったにも関わらず現実は違ったということもよく聞きます。
そこで、それを解決するためには、 保育士転職サイトに登録して担当者に聞いてみること です。分かる範囲で内部事情を教えてくれます。