保育士へのモンスタークレーム。上手い下手な人の対応態度の違い

このコンテンツでは下記の方が対象です。

クレーム対応で困っている保育士さん

対象者の方は続きをお読みください。

保育士の今出川麗子です。

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  • クレーム対応で困っている保育士さん

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保育士をしていれば誰もが必ず通る問題と言えば『保護者からのクレーム』。

『子ども達のケンカで、時間がなかったりバタバタしていたりして片方の言い分しか聞けず、とりあえずその場で仲直りをさせた。

その後保護者から「うちの子の言い分も聞いてください。本当は○○君に叩かれていたのに謝ってもらえなかった」と連絡をもらってケンカの真相に気付けた。』

このように、 保育士側にクレームの原因があることもあります。

しかし、中には自分や自分の子どものことばかりしか考えず、 園に無理難題を言ってくる保護者も少なくありません。

  • 「娘が仲良しのAちゃんと同じクラスにして!」
  • 「B君のお母さんと仲が悪いから同じクラスにさせないで!」

毎日電話がかかってきて、今日の子どもの様子を聞いてくる。

最近は『モンスターペアレント』という言葉もあり、自己中心的な保護者の存在は社会問題にもなっていますね。

出来ればそんな保護者は入園を拒否したいものですが、園によっては入園するのは先着順なのでその保護者がクレーマーだからと入園を拒否できなかった。

入園面接では良い顔をしている保護者がいざ入園するとモンスター化してしまった。

どんなに間違ったことや理不尽なことを言われても保育士という立場上言い返すことなんて出来ません。

新年度のクラス替えをするときも『モンスターペアレント』はベテランの保育士のクラスにしたり、そのような保護者が1クラスに集中せず上手く分散するようにしたりと、保育者も頭を悩ませます。

このようなモンスターペアレントが原因で保育士の精神状態が不安定になったり、身体に不調を訴えたりすることもあります。

【保育士へのモンスターペアレンツのクレーム】

ここではいくつかの事例を紹介します。

<その1>

その園では、園用のホームページで子ども達の様子や普段の生活の様子を写真で載せています。

在園児の保護者の多くは「今日はこんな事をやっていたんだ~」「運動会の練習頑張っているんだな~」などと喜んで見ています。

また、入園を考えている保護者にとっても園生活の雰囲気を知るために役立っていました。

ところが、入園したてのA君の母親がいきなり職員室へやって来てホームページの写真を消すように言ってきました。

「うちの子の顔が出ていて危ないじゃない!何か事件に巻き込まれたらどうするの!!」

A君の体操着やスモックの後ろには目立つ装飾で、大きな文字で名前が書いてあります。

入園前の説明会でこちらが「あまり派手な装飾はしないでください」と説明したのに、A君の母は無視して目立つ派手な装飾をしてきました。

しかし、そんなことはお構いなしです。

「後ろ姿でも名前が分かるから、うちの子が少しでも移っている写真は今後、絶対に載せないで!!」と怒って帰っていきました。

だからゆうたや~んって感じです。
なんで関西弁なん!!?

<その2>

バス通園をする子ども達が利用するバス停は、園の職員やバスの運転手で決めます。

そして、入園や進級前に郵送でバス停の場所と送迎の時間を伝えます。

そんなある日に来たHちゃんの母からのクレームは 「バス停をうちの家の前にして!!」 というものでした。

理由はー

天気が悪い日や、暑かったり寒かったりした時もバス停で待たせるのか!

それで娘が風邪をひいたら責任を取ってくれるのか!!娘はただでさえ病弱なのに!

家の前なら、バスが見えてから外へ出ればいい!

というものでした。

バス停家の前なら楽ですね。
そんな都合ええことないや~ん!!?

<その3>

運動会が雨天で延期になりました。

事前に配布した手紙にも『雨天の場合は翌日に延期』と書いてあるにも関わらず、朝からNちゃんの父から電話がかかってきました。

「今日の運動会、時間を遅らせれば出来ますよね?午後には雨も止むって言ってますよ。

僕、明日は仕事で行けないので今日じゃないと困るんです。

娘の幼稚園最後の運動会なのに父親が行かなかったら可哀想!だから今日やって!」

雨は夕方になってようやく止み、結局運動会は翌日に延期になりましたがNちゃんの父は運動会が終わった後もチクチクと嫌味を言ってきました。

気持ちはわかるんですけどね。

<その4>

進級してすぐに身体測定がありました。年長さんのKちゃんは小柄で今まで背の順は1番前でしたが、背が伸びたのか背の順が前から2番目になりました。

保育後、Mちゃんの母から電話があり

「うちの子、目の前にお友達がいて前が見えないって言っているんです。多分、1番前のTちゃんより小さいと思うのでもう一度測りなおしてください。」

すぐに記録した手帳を持ってきて2人の身長差は1㎝程でKちゃんの方が背が高かったことを説明したのですが、納得してもらえませんでした。

結局、翌日に測りなおしたものの結果は変わりませんでした。

Kちゃんに「前が見えなくて嫌なの?」と聞くと

「ううん。ママがね、1番前じゃないと運動会で写真撮れないって言ってた。」

と教えてくれました。

自分勝手か~い(髭男爵風に)。

<その5>

お遊戯会で主役をやりたかったCちゃん。

でも、Cちゃんはセリフを覚えたり、動きを理解するまでに周りの子よりも時間がかかってしまいます。

そして、中々思うように出来ないと泣き出してしまうことが今までもあったので、セリフや動きの簡単な役をお願いしました。

その後、Cちゃんの母が園に怒鳴り込んできました。

なんでうちの子が主役じゃないの?

主役じゃないからやる気が出ないみたいで、セリフも全然覚えない。

先生が娘のやる気をなくさせた!お遊戯会は出ません!!

Cちゃんの母は教育熱心な方だったので、Cちゃんが周りの子よりも覚えるのに時間がかかることは直接言えず、保育参観などで感じてもらえればと思っていました。

しかし、保育参観でもCちゃんが時間をかけて自分で何かをやろうとしてもお母さんが手を出してしまいます。

Cちゃんもストレスを感じているのか、チックの症状が出てきてしまいました。

こんな保護者ばかりではないですけどいますね。
クレーム 裏切り者

【保護者がよくクレームすること】

保護者からのクレームで最も多いのが

「うちの子を見てあげて」

というものです。

  • 「水筒のお茶があまり減っていない。水分補給をあまりしていないみたいなので、うちの子に水分補給の時間の度に言って飲ませてください」
  • 「砂場でお友達に砂をかけられないように見ていてください」
  • 「プールで顔に水がかからないように気を付けて見ていてください」

先生は1人の子だけのものではないのですが、保護者の多くは「もっとうちの子を見て!!」という気持ちを強く持っています。

私は夫によくクレームします。
私は奥さんによくクレームを言われます・・・。。。ってアレ?彼氏募集中じゃなかったの?

【クレーム処理が上手い下手な保育士の対応態度の違い】

モンスターペアレントに限らずクレーマー処理の上手い保育士は、 相手がどんなに理不尽なことを言ってきても最初は『共感』をしてあげます。

「そうなんですね。」と一言相手に寄り添う言葉がけをすれば、相手の気持ちを落ち着かせることが出来ます。

そして、時にはその場ですぐに返事をしない方が良い場合もあります。

特に新米保育士の場合、保護者から園へのクレーム(事例1・2・3)はその場で断ってしまうと「新人が偉そうに…」と相手を苛つかせてしまう可能性もあります。

保護者の中には兄弟皆その園に入れていて、その園のことを何年も前から知っているというベテランママもいます。

  • 「昔はこんなことなかったのよ」
  • 「昔はこれで良かったのに!」

と言ってくる保護者も少なくありません。

その場合は「そのような意見があったことを一度、上の者に相談させて頂きますね。」と相手の要望に応えようとする誠意を見せることが大切です。

もちろん主任や園長などには一言伝えておいた方がいいかもしれませんね。

ベテランの保育士や主任ならー

  • 「あのお母さんにはこういった方が納得してもらえるよ。」

ーなどアドバイスをもらえることもあるからです。

そして時間を少し開けてから

  • 「上に相談してみたのですがご要望には応えられませんでした。すいません。」

と、あくまでも要望に応えたかったのですが出来なかったという気持ちを出していきましょう。

どんなに忙しい時やイライラとしている時でも感情的になったり上から目線でものを言ったりしてはいけません。

【私が経験したモンスター】

モンスターペアレントの矛先は保育者だけとは限りません。

ある日、S君のお母さんから電話が来ました。

うちの子、いつも先生にご迷惑をかけているようで、すいません。

家でも言って聞かせているのですが…

園ではお友達もたくさんいて、先生のお手伝いも良くしてくれる純粋で優しいS君。

何も迷惑など掛かっていなかったので驚き、よく話を聞いてみると

  • 「Rちゃんのお母さんから聞いたのですが、Sがいつも先生のお話を聞かないでいたずらばかりしていると伺ったので…」

と衝撃的な事実を聞かされました。

Rちゃんのお母さんはRちゃんが家で話すS君の話を鵜呑みにし、それを他のママ友に言っていたのです。

Rちゃんのお母さんは 「うちの子が嘘をつくはずがない」 の一点張りでとても大変でした。

『モンスターペアレント』と呼ばれる人たちは、自分の子どもが可愛くて溺愛するうちに周りが見えなくなってしまいます。

面倒だと思うことも多いと思いますが、こちらが落ち着いて対応していくしかありません。

それでも 精神的に辛くなる時は、職場の同僚や先輩に話を聞いてもらうだけでもスッキリしますよ。

溜め込み過ぎないでストレスを発散しながら向き合っていけると良いですね。

※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。