保護者支援の保育士の役割。親にとってどんな保育士であるべき?
保育士の今出川麗子です。
このコンテンツでは下記の方が対象です。
- 保護者支援にどんな役割を果たすべきかを悩んでいる保育士さん
対象者は続きをお読みください。
子どもに対して欠けている保育を施し、子どもが安全かつ安心して過ごせる環境を提供するのが保育士の大切な仕事です。
他にも、子どもが季節や行事を感じる事が出来る様に、様々な能力や興味を伸ばしてあげる為にも設定保育や行事の準備を行わなければいけません。
全ては子どもの為ですが、保育士にはもう一つ大切な仕事があります。
それが、 保護者支援 です。
保護者の不安を取り除く事で、円滑な親子関係を築くお手伝いをするのです。
今回はその保護者支援の際に果たす保育士の役割について紹介していきます。
- 保護者支援を行う上で保育士の役割
- 保護者支援の必要性
- 支援を行う上で気を付けること
- 【体験談】よくある相談。こう対応しよう
- 親にとってどんな保育士であるべきか
連絡帳が伝わらない、プライベートの保護者の関係については記事終わりから
保護者支援を行う上で保育士の役割
保護者支援を行う上で、保育士の役割はあくまでも お手伝い です。
出しゃばって子どもにあまりアピールし過ぎてしまうと、子どもは保育士の方に信頼を置いてしまいます。
保育士がすべき事を、以下の点にまとめました。
- 保護者が気にしている事項を事前に聞く
- 子どもに気持ちを聞くべきものであれば保育士が子どもから気持ちや考えを聞き出し、それを保護者に伝えて家庭や保育園での接し方を考える
- 気になる行動である場合は、保護者と保育園で連携を取り、同じ対応をして行動を取らないように働きかける
大切なのは、 家庭と保育園で同じ対応 を取る事です。
どちらかが行わなかったり、甘やかしてしまうと子どもはそこを逃げ場にして、改善しようとする気持ちがなくなってしまいます。
それは子どもの為にもなりません。
保護者のストレスを増やし、 最悪虐待へと繋げてしまう心配も生まれます。
他にも、保育園でその対応をサボってしまい、逃げ場にしてしまうと保護者と子どもの関係も悪化してしまいます。
保護者支援の必要性
保護者支援は必要不可欠です。
よく子どもを持たない人や、子どもを持たない保育士が、
「私は仕事や長時間子どもと接しているから子育てなんて余裕!支援なんていらない。」
と口にする姿を見かけますが、それは大間違いです。
保育士は 時間が来れば上がりの時間が来ますし、子どもが保育園を卒園したら接する機会も減ります。
保護者はそうはいきません。
その子どもの進路や生活、全ての責任を負って、保育園にいる時間以外は寝るまでずっと一緒にいるのです。
他にも、周りに知り合いのいない土地でたった一人子育てを頑張る保護者もいます。
支援を行う上で気を付けること
保育士が保護者支援を行う上で気を付ける事を以下にまとめました。
- 感情的にならない
- 保護者を責めない
- 命令ではなく相談という体を崩さない
大切なのは上記の三点です。
まず感情的にならないというのは、保護者が虐待まがいの躾をしてしまい、どうしたら良いか混乱する場合などに、 子どもが可哀想だからと感情のままに保護者を叱りつける 保育士がいます。
それは更に保護者を追い詰める事になるのでしてはいけません。
次の保護者を責めないも同じです。
保護者は保護者なりに必死に育児を行い、努力をしているのに、それを 否定され責められると心が折れ てしまいます。
そして、最終的に保護者へと相談という体を崩さず、
「保育園では〇だから、家でも〇させてみたらどうかなって思います。保育園でも家で〇するように言ってみますね。」
と、家庭と保育園で同じ対応をする事を確認し、
「一緒に頑張るから抱え込まなくて大丈夫」
【体験談】よくある相談。こう対応しよう
保護者からよく受ける相談として多い物と、対応策をここでは紹介します。
①トイレトレーニングが上手く行かなくて、つい焦って子どもに強く言ってしまう…。
保護者が一番気にするのは子どもの発達です。
周りの子どもが出来ているのに、自分の子どもだけ出来ないとなると不安を抱きます。
発達には個人差があるので焦る必要はありませんが、保護者は子どもの人生の責任を持つ立場ですから、余計に気になってしまうのです。
A.
保育園でのトイレトレーニングの進度を伝え、 家では無理をしないように伝えてみる。
日中の保育園、そしてお昼寝で失敗しなければ、家での失敗もぐんと減ります。
とにかく保育園でトイレトレーニングを頑張ります。
そして、 家では親のストレスを考えて、一旦オムツに戻すのもありだと伝えます。
家でも継続してトレーニングする事が望ましいですが、 実際にトイレトレーニングのストレスで子どもに手を上げてしまった保護者もいる ので、無理に家でしてくれとは言わない方が無難だと思います。
とにかく園でのトレーニングを主にし、日中の失敗ゼロを目指しましょう。
それを伝えると保護者も安心してくれます。
トイレトレーニングの詳細は 【思ったより難しい新卒保育士必見】トイレトレーニングの方法と進め方 をご覧ください。
②子どもが言う事を聞かずにイライラしてしまう…
中にはもう ノイローゼ手前くらいに追い詰められ、泣きながら話を訴えてくる 保護者もいます。
実際に子どもに手を上げてしまい、どうして良いか分からずに混乱しながら保育士に訴えてくる事もあります。
A.
保護者の不安要素を全て聞いて受け入れ、 保護者の育児の努力を誉めて自分達も協力する事を伝える。
必要に応じて診察やカウンセリングを勧めてみる。
保護者が今まで努力してきた事を否定せず、まずはその努力を誉めて受け入れましょう。
その後、具体的に家での様子を聞いて、 アドバイス出来る事はアドバイスして対応を統一します。
その地道な繰り返して段々と落ち着いてくる場合もありますが、全く症状が改善されない場合は、やんわりと病院で発達障害などの検査を受けてみる事を勧めると良いと思います。
なかなか 自分の子どもが発達障害を持っていると認めたくない親も多い ですが、診断が下りれば適切な発達センターを紹介してもらえたり、預ける場所が出来、薬で症状を緩和させる事も出来ます。
親にとってどんな保育士であるべきか
親にとって保育士は、 何でも話せる逃げ場 になる事が大切だと思います。
保護者の中には誰にも子育てを相談できずに悩んでいる人も多いです。
職場の人には 家庭を覗かれたくないという思いから、身近な相談できる人が保育士になるのです。
そんな保護者の命綱である自覚を持ち、保護者からの相談や訴えにしっかりと耳を傾ける事が大切です。
保護者は保育士がいるからこそ、円滑な育児を行えている部分もあると言います。
保護者に寄り添える存在である保育士こそ、理想なのではと思います。
保護者対応については保育士の保護者対応での失敗!保護者との接し方はどうすれば?をご覧ください。
※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。