保育士のうつになる原因とセルフチェック。悪化する状態を知ろう

このコンテンツでは下記の方が対象です。

辛い、これって私うつかも

対象者の方は続きをお読みください。

保育士の今出川麗子です。

このコンテンツでは下記の方が対象です。

  • 辛い、これって私うつかも

対象者は続きをお読みください。

  • 「仕事退職したいけどどうすればいいの」
  • 「うつって治るの?」
  • 「復職したいけどまた悪化するのでは」

保育士でうつを抱えている人は少なくありません。

保育士のうつのセルフチェック。○○以上ならあなたはうつかも!?

さっそくあなたが「うつ」傾向にあるのかをチェックしてみましょう。

あてはまる症状で、ひどい順に2,1,0をつけてみてください。

  • 夜中に何度も目覚めることが多い
  • 眠くないのに朝起きづらい
  • 園児と触れ合っていない時に、体がだるくなる
  • 園児の騒ぐ声が気になる
  • 家に帰って気が沈み何もする気が起こらない
  • 音楽が大好きだったのに聞く気にならない
  • のどの奥に物がつかえている感じがする
  • 息がつまったような感じになって胸苦しくなることがある
  • 以前より首筋痛や肩凝りがひどい
  • 以前にも今とよく似た症状があった

いかがでしょうか。それぞれ解説していきますね。

夜中に何度も目覚めることが多い

これには、頻尿や高齢による尿の回数の増加によるものであれば心配要りません。

夜中に2度3度と「ふと目が覚めてしまう」という症状があれば「うつ」症状があるかもしれません。

熟睡という大切なことを日頃のあなたの心配が邪魔をするのです。

眠くないのに朝起きづらい

よく不登校児童がこのような症状をみせます。

「学校に行けない」何かがあるのですね。

あなたに置き換えますと 「保育園に行けない」 何かがあるのです。

園児と触れ合うことを仕事と思ってしまう

保育士で子どもが大好きなあなたにとって、心も体も健康なときには、園児と触れ合うことを仕事とは思わず、ただ一生懸命、無我夢中だったことでしょう。

それを 「仕事の一つ」 と思うようになったら要注意です。

「園児が早く帰ってくれればいいのに・・・」と思うようになったら最悪ですね。

園児の騒ぐ声が気になる

これも3.と同じようなことがいえます。

うつ症状の人は「騒音」が気になって、その場にいられなくなるという特徴もあります。

ちょっとでも耳をふさぎたくなったら要注意です。

家に帰って気が沈み何もする気が起こらない

家の中の様子(片付けや掃除など)をみればうつ症状がわかります。

よく家族が、 「いつ訪ねても洗濯もしないでほったらかしの衣服が置いてある」 という状況になっているのです。

残業が多いなどの理由で帰宅時間が毎日遅い場合など、疲れによる場合は別です。

音楽が大好きだったのに聞く気にならない

好きなシンガーがいたのに、そのシンガーの楽曲ですら聴く気にならない・・・

こんな症状がある場合も要注意です。

「あなたは健康な状態ではない」可能性があります。

のどの奥に物がつかえている感じがする

緊張したときや非常に気になる何かがある場合にこの症状がよく起こります。

保育園での先輩からの強い指導や園長先生や主任などの目が精神的にあなたの心を圧迫 しているときなどに起こります。

息がつまったような感じになって胸苦しくなることがある

⑦のひどい場合です。

園児を指導中に思わず声が出にくく なって指導が困難になることもあります。

以前より首筋痛や肩凝りがひどい

うつの場合、首や肩こりがひどくなる症状があります。

多くの園児や他の先生の前で演じなければならない ときや保護者の意見が多いときのような緊張の連続がある場合にこの症状が起こります。

1.~9.が繰り返しよく起こる

うつ症状は、繰り返されます。

上記1~9の症状が、同じような場面で起こることがあります。

例えば、A先生が、あるいは保護者Bが前に現れるだけで息苦しくなるのです。

いかがでしょうか。

20点ということはないと思いますが、この「うつのセルフチェック」をされるということは、何点かはあったものと思います。

この結果を基にして、あなたのうつ症状を診断してみましょう。

※あくまでも参考程度でお考え下さい

A評価 0点~5点・・・

あなたは、園児との関わりや保護者対応、保育園の状況など、すべてにわたって、あなたの性格や態度が、その園のやり方に合っている、または、その環境に恵まれているのでしょう。

どんどんやってください。

うつの心配はありません。

B評価 6点~10点・・・

あなたは、「うつ予備軍」かも。

今後、今の保育園で働いていく中で、何か大きなことがあると、すぐに11点を超えてしまうでしょう。

そうなったときがたいへんです。

後述しますが、Cで耐えている方よりも加速度的にDになってしまう可能性があります。

ですから、「うつのセルフチェック」で1あるいは2をつけた項目について、思い当たることがあれば対策を考えてください。

C評価 11~15点・・・

2をつけた項目がありますね。

後述で、うつについて解説いたしますが、必ずその原因を明らかにしましょう。

今しておかなければ慢性化 し、今の園がしんどくて、いざ転職を考えたとしても、次の園でも同じような症状が起こってしまいます。

D評価 16~20点・・・

ほとんどが2になっています。

特に4、7、8はどうでしょうか。

もし2をつけておられたら、 要注意かもしれません。

うつの原因

うつ病が起こる原因は、人によってもさまざまなことから、その人が持つ悩みなどの原因が合わさって発症するといわれています。

うつ病になりやすい方はまじめな性格によって感じてしまうストレス(遺伝的素因)や外的なストレス(環境要因)が作用し発症する と考えられているのです。

ただ、これらに当てはまるすべての人がうつ症状が発祥するわけではなく、うつ病にかかりやすい人とそうでない人がいるのも事実です。

さて、ここでは、保育士という仕事においてのうつ症状の発症についてみていきましょう。

さて、あなたはどんな性格でしょうか。

上述しましたが、うつ病にかかりやすい人は、

まじめな性格な人ということですが、その他にもあります。

よく言われるのが

  • 執着性格
  • メランコリー親和型性格
  • 循環気質
  • 自己愛性格

の4つです。

これらの気質を見てみますと、正確的におとなし過ぎても、陽気過ぎても、うつ症状に陥ることがわかります。

中でも 「先生」と呼ばれる人に多いのが自己愛性格のタイプ です。

精神的に未熟で自己愛が強いといわれます。

「先生」の中には、子どもと一緒に何かをすることには長けているが、大人の付き合いが苦手で交友関係が狭いという人がいます。

また、他人への依存心が強い反面、失敗すると人のせいにするという中堅の保育士もいます。

そういう人が、年中行事などで、自分の思ったようにならないときにストレスとなり、うつ症状に陥るのです。

さらに、転職などで環境が変わったときに、それがきっかけとなることもあります。

うつの場合、保育士の仕事の対処方法。お金のことなど

うつ症状があろうと保育士は毎日、園児を保育、指導しなければなりません。

また、保育士の時間外の仕事は、専門技術も入りますしたいへんですね。

もし、うつ症状が表れたり、実際に医者にかかることになったりしたときに、保育士の一つ一つの仕事をどうしていけばいいのでしょうか。

園児を前にすると元気が出る保育士さんは結構多いですね。

たとえうつ症状であろうと、身の回りのお世話をしたり、基本的生活習慣を身につけさせたりすることはできるでしょう。

ただ、残念ながら 園児の健康や安全について、きめ細かいところまでは見切れない でしょう。

しかし、そのことはほかの保育士にはわかりにくいのが現状です。

このように、園児とはなんとか関わることはできますが、保護者に対してや地域に対してなど、外部との関りにおいては、かなり無理が出てきます。

さらには残業や持ち帰り仕事において処理がしきれなくなった時がこわいです。

自分の思い通りにならないなどが原因となってうつ症状が進んでしまいます。

保育士がうつの場合の退職の手続き

保育士がうつを自覚する、あるいは医者でうつと診断されたときに考えなければならないのが退職です。

「先生」と呼ばれる保育士として、園児や保護者のためにも決断しなければならないでしょう。

では、うつが理由で退職するときには、どのような流れで手続きをすすめればいいのでしょうか。

退職届を出す

まず、保育園に退職届を提出します。

うつ病で出勤が困難だったり、休職中だったりする場合には、退職届を郵送すればいいです。

このときの退職事由が大切なポイントとなります。

退職事由を「一身上の都合」と書くと自己都合になります。

「うつ病のため」と書くと、自己都合には違いありませんが、病気が理由という退職扱いになるのです。

後々失業給付を申請するときに有利に働きます。

また、離職票の退職事由も注意しておきましょう。

失業給付額や給付日数等が決まるのは離職票です。

ですから、もし会社都合退職に準ずる扱いがしてもらえるのであればそうしてもらう方がいいのです。

離職票の退職理由欄にどう書かれるかということにも目を向けておくといいです。

解雇を避ける

うつになると、ベッドから起きにくい状態になってしまい、ついつい保育園に連絡を入れるのが面倒になります。

これが何日も続くと。無断欠勤扱いが多くなり、解雇の対象になってしまいます。

園側でも、あなたのうつについては理解しがたく、単にずる休みというようにとらえるのです。

また、休職中の場合にも休職期間を超えて休むと、解雇される場合があります。

解雇になりますと、 退職金 が減額となります。

退職する意思を早めに保育園に伝えることが大切です。

この時の 退職の意思表示は口頭でもかまいません。

退職届を書くのも面倒な場合には、退職届を書けないことを伝えておけばいいのです。

このように、うつの場合に退職金の手続きをする時は解雇されることは避けなければなりません。

できれば会社都合というようにもっていくことで、退職届を出すようにしましょう。

退職金の優遇措置を受けることができるのです。

保育士のうつの方の退職手続きは、状況にもよりますが、自分でできる範囲で退職手続きをとるようにしましょう。

退職金 給与明細書 モノクロ

治療法

うつは脳の病気ですから治療しないといけません。

なかなか治りにくいのもこの病気の特徴です。

うつであるか、そうでないのかという判断は、神経科の医師でも難しいのも現状です。

  • 「のどが痛いのですが・・・」
  • 「のどを診てみましょう。赤いですね。扁桃腺が腫れています。風邪薬を出しておきましょう。」

という単純な病気ではないのです。

神経科で診てもらうときには、あくまでも自己申告が重視される病気 です。

さて、うつの治療法は、休養や環境改善、お薬による治療、精神療法という4つの方法があります。

休養

できるものなら、神経科の医師に診断書を書いてもらって休職することでしょう。

積極的な休職は、今後のあなたの 保育士として転職 を助けてくれます。

十分な睡眠や栄養を摂って、心も体も休ませてあげましょう。

それがうつ病治療の第一歩といわれています。

保育士としてなんとか年度末まで・・・という気持ちは分かりますが、その期間でも残業や持ち帰り仕事があなたに襲いかかってきます。

環境改善

うつ病になると、今まで以上に職場や家族に迷惑をかけてしまうのではないかという不安が強くなります。

でも、うつになってしまった原因は、今の職場や家族の環境なのです。

思いつく環境を少しずつ排除、改善していくことが回復への近道なのです。

また、うつ病の症状の中にある「寝付けない」「朝早く目覚める」という睡眠障害や食欲不振についても改善が必要です。

ですから うつの保育士は持ち帰り仕事はやめなければなりません。

お薬による治療

「抗不安薬」「気分安定薬」「睡眠導入薬」というお薬があります。

うつ病の治療にはその症状を基にした医師から処方されたお薬が効果的です。

というよりもお薬を飲まなければいられないような状態になることがありますから、そういう意味では必需ということになります。

うつ病患者さんに処方されるお薬はすぐに効果が表れるものではなく、服薬を続ける必要があるのです。

精神療法

心を安定させることが目標です。

うつ病の原因となったストレスを分析していきます。

その 対処法を実践し調子の良い状態を維持し、再発防止を目指すのが精神療法です。

保育士の場合には、心が健康な状態になれば転職という形で復帰するという方法が最適です。

治った!?復職のライン

保育士で休職中の方が、上記の方法を試みつらい状態を脱したときに、主治医から「現場に戻ってみますか」と声をかけられて、いよいよ復職が見えてきます。

ただ、主治医は保育現場を知りません。

あくまでも日常生活での病状の回復ということを言われているのです。

主治医は本人の様子や意思を確認し、職場に戻ることができるかどうかを判断します。

この時に大切なことは、主治医に保育士の仕事内容をきちんと話すことです。

収入のことや自分自身の人生のことを考えますと、あなたは一日も早い復職を望むでしょう。

だからといって、激務の保育士の仕事をこなしていくためには、はっきりとした回復が必要です。

主治医に「その仕事はまだ無理だなあ」という回答を恐れるあまり、仕事内容が軽いと言ってしまうと危険です。

復職して、1ヶ月も経たない間にまた休んでしまうという方もおられるのです。

参考に厚生労働省の手引き(一般的なもの)を載せておきます。

厳しく自己評価して、職場復帰が可能かの判断基準としてください。

  • 明日にでも復帰したいという意欲がある
  • 通勤が苦もなくできる
  • 自宅で、折り紙製作やピアノ伴奏などの練習を積んだ
  • 適切な睡眠が規則正しくとれている
  • 園児を監督するという注意力や集中力の意識がある

参考

心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きより

上記の 自己評価を確かめる目安として以下のことを実践してみてください。

  • 休職前に出勤していた頃と同じ経路で通勤練習をする
  • 起床時間を一定にし、散歩ができる
  • 図書館に通い、いろいろなジャンルの本を読む
  • 最終的には週5日、一定の生活をしてみる

「保育士のうつになる原因とセルフチェック 悪化する状態を知ろう」について解説してきましたが、大切なことは以下の3点です。

  • しんどい状態が続いたら、可愛い園児たちのためにも、思い切って早めの休養が必要
  • 復職のために無理をせず、保育士という仕事が可能だと思うまで休養する
  • 復職する場合は、新たな環境を求めて転職するほうがよい

うつ状態が悪化しないように、ゆっくりと休んでから未来のあなたを描きましょう。

参考サイト

※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。