保育士の採用試験。公立私立の違い。実技試験のポイント

保育士採用試験の実技試験とは?

保育士の採用試験は主にピアノや絵本の読み聞かせなどがあり、 手遊びなどといった スキルを見たり、どのように子どもたちと接していくかを見たり、またその人の 人となり を見ます。 自分が 得意とするもの や学校で学んできたスキルをアピールするものでもあるので、自信をもって挑んでいただきたいです。

実技試験の種類。どんな実技試験があるの?それぞれの試験のポイントと注意点

実技試験の種類はピアノや絵本の読み聞かせ、ペープサートやエプロンシアター、ダンスといったものです。

ピアノの試験では【課題曲】【自由曲】【初見演奏】といったものがあります。

【課題曲】

【課題曲】はバイエルやブルグミュラーといった自分のピアノのレベルにあった曲を弾きます。

【自由曲】

【自由曲】は童謡の曲です。 保育でも歌うような曲を選び、弾き歌いのスキルが見られます。 季節に沿った童謡を視野に入れ、練習しておくと良いです。

【初見演奏】

【初見演奏】は課題曲を聞いた園側がその人にあったレベルの童謡の楽譜をその人に渡し、それを弾くということもあります。
大体は園側が準備されている楽譜から弾くことが多いです。 どんな楽譜を渡されてもいいようにいろんな童謡を練習していると良いと思います。 ピアノでの注意点はやはり途中で止めないことだといえます。

途中で止まってしまうと、子どもたちも途中で止まり歌えなくなってしまうからです。

私の園でも昔は【課題曲】と【初見演奏】だったようで、楽譜を渡して弾くように指示すると、ほとんど受けた人は弾けなかったようです。 その為その当時はメロディ(右手)をちゃんと弾けているかどうかを見ていたようです。 このようにほとんどの人が弾けてなかったことから、私が受ける年くらいから【初見演奏】が無くなり、【自由曲】に変わったようです。

また弾き歌いする時は大きな声で歌うことです。

小さい声だと子どもたちも聞こえず歌えないと思うので、緊張するとは思いますが大きな声で歌うことを心がけると良いです。

私も【自由曲】で弾き歌いする時緊張はしましたが、大きな声で歌うように心がけました。 子どもたちと一緒に歌っているつもりで歌うと声も出しやすいのかと思います。 大きな声を出して歌った甲斐があってか、面接官にも「声がちゃんと出ていて良かった」と褒めてくださりました。

絵本の読み聞かせは実際に園児の前で絵本を読み聞かせることもありますが、大体は面接官の前で絵本の読み聞かせをします。

絵本の読み聞かせをする際ー

  • 「抑揚をつける」
  • 「ゆっくりはっきりと読む
  • 「子どもたちに目を向けながら読む」
  • 「しっかりと絵が子どもたちに見えるようにする」

ーというのがポイントです。 これらを踏まえて読むことで、その人のスキルが見ることが出来ると思います。 また絵本を読む前に手遊びをするように指示されることもあるので、何個か手遊びのうたを準備していると良いです。

ペープサートやエプロンシアターは園側が用意したものや自分で作ったもので行うことがあります。

友人が受けた園では自分で作ったものを先に提出してから、日にちを置いてからそれらを使って子どもたちの前でお話をしたようです。 自分が就職したいと思う園があれば、前もってペープサートやエプロンシアターの試験があるかどうか調べ、準備しておくと良いです。

ダンスは音楽に合わせてオリジナルの振り付けを求める園もあります。 リズミカルにかつ大げさに動くことが大切です。 大事なことは 「笑顔」で「動作は大きく、リズムに合わせる」 ことです。 ダンスは今後就職してからも運動会やお遊戯でも振り付けを考えていくので、動きのレパートリーを増やしておくと役に立ちます。

公立と私立の保育園、採用試験の違い。それぞれのポイント

公立

公立となると公務員となるので、自分が受けたいと思う自治体に願書を出して受けていきます。 自治体の募集期間は6月から8月にかけて行われており、試験開始は9月ごろからです。 募集人数は若干名とされているようです。若干名とされているが、倍率は高く狭き門とも言われています。 公立の採用試験は一次試験・二次試験があり、一次試験ではまず一般教養と専門教科の筆記試験や適性検査、小論文があります。 二次試験はピアノや造形や素話です。 このピアノの試験も【課題曲】や【自由曲】を弾きます。 【課題曲】は試験日までに前もって課題の曲3曲をいわれるので、練習すると良いです。

試験当日にその3曲のうち1曲だけを演奏するように指示されます。

私の友人も去年受けたとき、課題のバイエルの中の3曲を一生懸命練習していました。 その友人もあまりピアノには自信がなかったようで、先生方や周りの人々にたくさん指導していただいていたようです。 友人は1日3時間はピアノの練習をしていたようで、試験当日ではスラスラと弾けたと言っていました。やはり練習は大事だなと改めて感じました。

一次試験の一般教養と専門教科は範囲が広いので、基礎知識をしっかり学んでおくと良いです。 また過去の問題の内容はどうだったか確認し、出題傾向を把握しておくことも大切です。 さらに時事問題についても把握しておくと良いといえます。 ニュースや新聞を目にするように心がけるようにすると良いです。 造形の試験は「絵画制作」や「工作」です。 「絵画制作」はクレヨンや絵の具などを使用するため、それぞれの画材の特徴を把握しておくことが大切です。 また 色の三要素や混同についても理解しておくと良いです。 「工作」は指定された材料をどのように使用するかがポイントです。限られた時間で制作するため、時間内に完成できるように意識することも大切です。 素話は3分間物語をお話することをいいます。 物語は課題が出されます。課題が出された中から自分でどれにするか選ぶのです。 注意することは絵本や道具を使うことは禁止ですので、ちゃんと物語の内容を把握しておくことが大切です。

平成27年度の素話の課題はー

  • 「うさぎとかめ」
  • 「おむすびころりん」
  • 「3びきのこぶた」
  • 「にんじん、ごぼう、だいこん」

ーでした。 前もって自分で過去問題を調べたりして、対策をとっていくことをオススメします。

大学の先生によると技術的なスキルも見ていますが、 一番重視されていることは面接だそうです。

この面接でその人自身を見ているそうで、「この人が保育士になってもやっていけるかどうか」を見極めているそうです。 面接時ははっきりと応答し、面接官から質問された場合は1呼吸置いてから応答することが良いのだそうです。 ほとんどの人が質問されるとすぐに答える傾向があり、焦りが見えて自分自身も落ち着くことができないことからすぐに答えるのは止めておいた方が良いそうです。 1呼吸置くことで落ち着くことができ、また質問の答えを考える時間もできて良いとのことです。

面接の詳細は 保育士の面接を攻略!知らないと不利?質問、回答の具体例 をご覧ください。

私も面接があったときは緊張していて質問されてすぐに答えてしまう場面もありましたが、先生に言われたことを思い出し、できる限り1呼吸置いて応答するようにしたことで少し落ち着くことができました。

私立

私立の募集は6月ごろから行われ、大体翌年の1月または2月ごろまで試験はあります。 私立は公立とは違い、園によって就職試験も異なります。

ピアノや絵本の読み聞かせ、ペープサートやエプロンシアターといった実技試験があり、面接があります。

私の友人が受けた園では自分で作ったエプロンシアターを使って、園児の前で実技試験があったようです。 その友人は作ったりすることが得意なので、エプロンシアターで使うものはすぐに作れたようですが、絵本の内容を把握するのに時間がかかったようです。 毎日絵本を読んで内容を頭に入れ、実際にエプロンを使って練習をしていました。 試験当日実際にエプロンシアターを子どもたちの前でするとき、緊張して間違えた部分があったようですが、間違えても笑顔でやり遂げたと言っていました。 内容はちょっと変わった部分があったようですが、笑顔でやり遂げることで面接官にも「よかった」と褒めてくださったようです。 もし緊張で間違えたとしても動揺せずに笑顔でやり遂げることを目標に頑張っていただきたいです。

私立の保育園を受ける際はその園の試験内容をもしっかりと見て対策を練ることが大切だと考えます。 面接では面接官が一人~三人程度で履歴書を通して何問か質問されます。 大体面接で聞かれることは「家から園までどのくらいの時間で着くか」や「どうしてこの園を受けようと思ったか」、「就職したらどうしたいか」などです。

面接でどれだけ自分をアピールすることかが大切です!

自分を売り込むことで園側もその人の意気込みを買い、就職してほしいと感じてくれると思います。 これは保育園だけではなく、幼稚園でもいえることだと思います。

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作文や小論文対策のポイント。どんなテーマが出る?

小論文でよく出るテーマはー

  • 「私の目指す保育士像」
  • 「保育士の役割について」
  • 「最近の出来事で感じたこと」

ーなどです。 よく出るテーマを自分なりに調べたりして、対策をとっていくことは大切です。

小論文の対策はまず自分が受ける園ではどんなテーマが出されるか、過去に受けた先輩方の時の小論文のテーマは何か大学の資料に残っているはずなので調べると良いです。

私の園でも小論文がありました。 その小論文はB5サイズの紙一枚に二つのテーマがありました。 一つ目は「大学生活で一番思い出として残っているものとは何か」、二つ目は「音楽教育についてどう思いますか」というものでした。 小論文のテーマは園の教育方針も少し含まれることがあるかと思いますので、その園の教育方針をちゃんと理解しておくのも大切です。 私の園では音楽と運動に力を入れているので、この二つのどちらかをテーマとした題が出されるだろうと考えていたので、テーマを目にしたときは「きた!」と思いました。 あらかじめ小論文のテーマはどんなものが出るか、大学の先生方に聞いたり自分なりに考えて練習することも大切です。

幼稚園教諭の就職試験の内容

保育士採用試験と同様、ピアノや絵本の読み聞かせなどがあります。 ピアノも保育士就職試験と同様、【課題曲】【自由曲】【初見演奏】とあり、園によっては違いますが【課題曲】と【自由曲】を弾くか【課題曲】と【初見演奏】を弾きます。 幼稚園教諭の採用試験はスキルを重視していますので、ピアノのレベルを見ます。

ほとんどの園がブルグミュラーかソナチネといったレベルが求められることが多いです。

私が就職した園の就職試験の内容はピアノと小論文と絵本の読み聞かせと面接でした。 まずピアノは課題曲・自由曲一曲ずつ、自分で決めて弾くというものだったので、私は「ブルグミュラー」と「山の音楽家」という童謡を弾きました。 他の園ではピアノや絵本の読み聞かせの他に、国語の試験や小論文や作文があります。 国語の試験は漢字の試験のみです。物語を解いていくというものはありません。

さらに…

私の友人が受けた園でも漢字の試験だったと言っておりました。 漢字のレベルは難しくはなく、基本的な漢字ばかりで漢検2級レベルだったそうです。 次に絵本の読み聞かせをするとき、絵本は園が用意したもので面接官3人の前で絵本を読みました。 絵本を読む前に手遊びもしました。そのときにした手遊びは「はじまるよ」で、この手遊びだとどんな絵本でも導入しやすいと思い、これにしました。 また大学の先生の話によると、 絵本を読む前に面接官から「○歳児の前で絵本を読んでね」と指示されることもあるようです。 その指示された年齢のことも考え、その年齢にあった手遊びをすることも大切です。 またエプロンシアターやペープサートの試験がある園もあります。 どのような試験があるかなどは園見学で実際に先生方に聞くことをオススメします。

そして…

私が就職活動していたときに行った園の見学で、その園の試験内容を伺ったらほとんどの園が必ずピアノと絵本の読み聞かせがあるとおっしゃっていました。 ピアノは特に重視している園が多かったです。 ですが、 そんな重視している園でも働いている先生の中にはピアノが苦手だという先生もいらっしゃる ようなので、ピアノが苦手な方も幼稚園教諭になりたければ諦めないで頑張っていただきたいです。

体験談
就職試験で1番苦労した事と、ポイントだと思うこと
私が一番苦労したことはやはりピアノでした。

私自身ピアノが苦手でピアノのレベルも低く、バイエルを弾くのがやっとでした。 ですが、自分が就職したい園が希望するピアノレベルは「ブルグミュラーから」とされていたので、 夏休みを使って約一か月半にかけてブルグミュラーを独学で必死に練習しました。 独学だったので弾き方が合っているかも分からなかったので、大学のピアノの先生に指導していただいたり周りの友達に間違って弾いていないかどうか、実際に友達の前で弾いて指導してもらったりもしました。 課題曲の他に自由曲で弾く「山の音楽家」は就職試験日が九月ということもあり、秋らしい感じの童謡を選択し練習しました。 この曲は何度か授業でも大学の先生に指導してもらったおかげで、弾けていましたのであまり心配はありませんでした。 ですが、油断は禁物だと思い、課題曲と同様約一ヶ月半一日四時間練習し続けました。 試験一週間前になってからは一日五時間ピアノの練習をするようにし、試験当日試験官一名の前でピアノを弾いたのですがスラスラと課題曲も自由曲も弾けたので、ほっとしたのを覚えています。

試験官にも 「楽譜通りにちゃんと弾けており、たくさん練習していたのがうかがえます。よく頑張りましたね。」 というお言葉をいただけたときは、心から嬉しく思い周りの方々に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

ポイント!!

ピアノでのポイントはやはり練習だと思います。
練習をしてこそ、自分に自信がつきますし弾けるようにもなります。分からないところがあれば、周りの方々に聞いたりして改善していくことが大切です。

向上心を持って努力さえすれば、ピアノが苦手な方でも上手に弾けると思います。

※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。

引用・参考文献

「全国保育士養成協議会」

「保育士の実技試験アレコレ-保育士転職ガイド」