知ってます?ヒヤリハットが多い保育士は事故を未然に防ぐ人
保育士の今出川麗子です。
このコンテンツでは下記の方が対象です。
- ヒヤリハットが多い保育士は事故を未然に防ぐ人なのか知りたい方
対象者は続きをお読みください。
ヒヤリハットについて多くの保育士が勘違いしている理由。
名前だけが先行している?
名前だけが先行している?
保育士の人でヒヤリハットと聞くと、少ない方がいいと思っている方が多いことでしょう。
これは、 ヒヤリハットと事故が、同じようなイメージ で捉えられているからです。
これと同じようにヒヤリハットがあることは、自分の注意力がないため、 技術が不足しているため 、と自分を責めてしまう傾向にあります。
ですが、ヒヤリハットとは、事故になる可能性があったが未然に防げたことです。
保育士の注意不足が原因ということもあるかもしれませんが、危険な場所だったことが原因であることもあります。
人間ですので、絶対ミスを犯さないとは言い切れません。
保育士同士が常に危険な場所、場面を知り、事故を未然に防ぐ努力が必要です。
それには、 ヒヤリハットを集め、保育士同士で共有し対策をすることが有効です。ヒヤリハットは、少ないより多いほうがいいのです。
保育士がヒヤリハットを感じる瞬間
ヒヤッとすることが多いのは、公園など外遊びをする時間帯や、お迎えが増える夕方の時間帯です。
外遊びは、行動範囲が広くなることと、木や遊具により死角ができやすいためです。
お迎えの時は、保育士が保護者と話すため、手薄になり、ヒヤッとすることが多いです。
夏場ですと、プール、水遊びをしているときにも感じることが多いです。
一番事故が多いと言われているプールですので、特に意識して見ていますが、子どもたちの行動には、ヒヤッとすることがよくあります。
また、昼食、おやつの際、子どもたちは、座っているので、保育士が安心しがちな時間帯ですが、意外とヒヤッとすることがあります。
特に、飲み込む力が弱い月齢の低いクラスでは、食べたい意欲で、どんどん食べ物を口に入れ、おえっと、もどしそうになるなど、誤嚥の危険性もあります。
こういう保育士はヒヤリハットが多い傾向。
園児の安全を確保する為の危険に関する意識と視点の持ち方
ヒヤリハットとは、事故につながらなかったけれども、事故につながる可能性があると気づいた出来事のことです。
ハインリッヒの法則では、「1つの重大な事故の影には、29個の軽度な事故と、300個のヒヤリハットが存在する」と言われています。
ヒヤリハットをたくさん見つけ、事故を起こさないように安全な環境を作っていくことが必要になります。
同じ出来事があったとしても、ヒヤッと感じるかどうかは、その人の安全基準にもよります。
経験の浅い保育士は、 危険を予測することができにくい ため、ヒヤリハットが出づらい傾向が高いです。一方、ベテランの保育士は、経験も豊富なため、危険を察知する力があります。なのでヒヤリハットが出やすいです。
ですが、ヒヤリハット自体が、ミスを犯していると捉えられることが多く、出すと責められるのではないか、出すことが恥ずかしいと思う保育士も多いようです。
普段の保育のときから、常に安全を意識している人は、ヒヤッとする場面、場所を見つけます。
例えば、死角で遊んでいる子どもを見つけたとき、この場所は、危険だから、子どもが入っていかないか注意しなくてはならない場所だと意識ができます。
これを保育士全員で共有することで、死角での事故を起こさないように連携もできるでしょう。
常に、安心安全を意識して、危険を感じる力を磨くことが大切です。
また、ヒヤッとしたことは、必ず他の保育士と共有して、事故を起こさない環境を作る、という意識を持ち、園児の安全確保を行う必要があります。
【場面別】
ヒヤリハットの事例と対策
ヒヤリハットの事例と対策
事例①
1歳児のクラスで、おもちゃの取り合いをしていて、かみつこうとしている子がいました。まだ、言葉で、「貸して」などのやり取りが難しい子の場合など、すぐかみつく子がいます。
対策
その子は、かみつきが落ち着くまで、必ず保育士の誰かが見守り、かみつきそうになるたびに、
事例②
2歳児のクラスで、公園で遊んでいるときのことです。
大きな木の後ろで子どもが隠れて遊んでいました。
木の後ろだと、枝の突起に引っかかり、転んだり、怪我をしたりしかねません。
また、目が届かないため、子ども同士がケンカをしてトラブルになっても気づくことができません。
対策
子どもたちは、こういう木の後ろなど隠れ家的な場所を好みます。
なのでこういう場所は、事前に把握したうえで、
事例③
4歳児のクラスで、園庭でのことです。
ブランコで遊んでいる子どもの前に、他の子どもが近づいてぶつかりそうになりました。ブランコで遊びたくて、近づいたようです。
対策
そのままブランコにぶつかっていたら、怪我をしていたことでしょう。なので、 ぶつかると大怪我をしてしまう、ということを子どもにしっかりと教えました。
教えても、行動が先に出やすい子のため、約束が守れるようになるまで、その子の動きを注意してみるようにしました。
最悪なケースの場合の対処
事故が起こってしまったものは、ヒヤリハットを通り越してしまったものです。
なので事故が起こってしまった場合が、最悪なケースです。
事故が起きたときは、 適切な処置をし、保護者にも説明した上で、謝罪 をするなど、誠実な対応をします。
その後、いつ、誰が、どんな事故があったのか、そして、どのように対応したのか、保護者への対応についてなど、詳細を残すことが重要です。
そして、それをもとに、今後、どのように対策をとっていけばいいかを話し合う場を設け、 2度と同じ事故を起こさないよう対策 する必要があります。
【体験談】
私のヒヤリハットの経験。反省と対策
はじめのうち、ヒヤリハットを報告することができませんでした。
ヒヤリハットを報告することが自分のミスを報告するような気がして、責められるのではないかと思っていたからです。
また、どうしても複数で保育していると、ヒヤリハットを出すことで、他の保育士を責めてしまいかねない、という思いもあり、なかなか報告できませんでした。
そのうち、これくらいのこと、しょうがないよね、とかよくあること、と流してしまっていました。
しかし、ヒヤリハットを日頃から見つける視点を持つことで、重大な事故を防ぐことができるのだと、研修で学んで、今までの自分の姿勢を反省しました。
その後は、ヒヤッとしたことは、その都度メモにとるようにしました。
そして、 これくらいいいだろう、と思わず、他の保育士にも共有するようにしました。
私の園では、ポストイットに書いて、専用のスペースを作り、そこへ貼って、共有することにしました。
これですと、保育時間後にわざわざ時間を作って書くこともなく、忘れることもないため、出しやすかったです。
保育は、感性と言われがちな職業ですが、ヒヤッとする感覚も人それぞれ異なります。
他の保育士と共有することで、お互いの感覚を知ることもでき、そのうえ、どうしたらいいかを話し合えるようになりました。
転職したい・・・なら保育士求人転職プロへ※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。