保育士の賠償責任保険とは?制度を知って「もしも」に備えよう
保育士の今出川麗子です。
このコンテンツでは下記の方が対象です。
- 保育士賠償責任保険制度について知りたいと思っている保育士さん
対象者は続きをお読みください。
“子どもたちが保育中にケガをしてしまった…”
あってはならないことですが、不慮の事態に備えるための保険制度がどのようになっているのかは保育士として知っておきたいですね。
そのような保育士さんの参考になればと思います。
日本保育士協会の保育士賠償責任保険
ある保護者の方が、入園説明会で
という質問をされました。
- 「おっしゃる通りです。」
と園長先生は説明を始めました。
保育室のロッカーが木製できちんと地震対策はできている、避難訓練は月に一回、防犯対策として警察にも来ていただいて訓練も実施している旨の説明です。
この保育園に預けて安心だという思いをしっかり植え付けたものだと思いました。
毎日の保育業務では0歳から5歳児を保護者の方からお預かりするのですから、その責任は重大です。
一人一人の園児をけがや病気(集団感染など)から守ってあげなければいけません。
しかし、その 配慮を十分に行った上でも起こってしまう事故が、いろいろな園で起こっています。
そんな時に、それに関わった保育士一人の力では補えません。
そんな保育士のために、日本保育士協会の保育士賠償責任保険がある のです。
引用元:日本保育士協会
日本保育士協会とは?入会資格は?
保育士賠償責任保険を付帯している日本保育士協会は、社会福祉法人の日本保育協会 会員保育園の保育士のためにあるものです。
日本保育士協会は、本来、保育士の専門性の向上と福祉の増進ということを目的としています。
そして、平成15年には保育士資格法定化に対応したものとした賠償責任保険を会員に自動付帯されるようにしたのです。
何か万一の事故の時には必要なものが保険です。
社会福祉法人の保育園に勤務される保育士さん(要保育士資格)が日本保育協会の会員になることができます。
ただし、保育園に従事していても保育士資格がない人は入会できないことになっています。
参考元:日本保育士協会
非常勤保育士でも入会できる?
上記で述べました通り、保育士資格を有している方(社会福祉法人の保育園)であれば入会できます。
保育士の転職や、長期で休職していた場合の復職などの場合でも、この保険制度があると安心して働くことができます。
保育士賠償責任保険とは?
死亡保障などでは賠償責任最大1億円、初期対応や争訟対応、見舞費用などが期間中最大500万円という保証があります。(詳細や保険金が下りない場合などは、HP参照)
参考元:保育士賠償責任保険
どんな事態に備えられる?
保育をするということは、体を張っているということもお分かりでしょう。
一生懸命に保育にあたっていますと、時として園児と接触することが多くなります。
廊下の曲がり角、運動場での鬼ごっこなどにおいて、保育士と園児の衝突が起こってしまうケースがあります。
そんなときに、園児の体が小さいため、飛ばされてしまうのです。
そのはずみでけがをしたような事態にこの保険が適用されるのです。
先生という名の人は、持ち帰り仕事が発生する場合があります。
その時に電車や飲食店などに鞄を忘れてしまい、盗難にあうというケースもあります。
「あっ、鞄の中に園児の個人情報が…」青ざめてしまいます。
こんなことはあってはならないことなのですが、もし、個人情報が漏れてしまったことで損害賠償を求められるというケースもこの保険の対象になります。
上記2例でも、日本保育士協会等の調査もあり、場合によっては適用外になる場合もあります。
どんな保障がある?
あくまでも保育業務時間内に発生した事故に対して損害賠償を請求することができます。
補償内容には次のようなものがあります。
対人賠償
対人賠償は保育士が保育中に園児に対して損害を与えた場合に適用されます。
大きな事故の場合には園児が死に至るという場合にも適用されます。
対物賠償
自分のミスで保育中に施設や地域の財物に損害 を与えた場合に適用されます。
人格権侵害
園児や保護者の名誉を毀損した場合や 個人情報などの秘密漏洩 に関わる事故が起こった場合に適用されます。
初期対応費用
園児活動中の事故において、 事故発生時に初期対応 しなければならないような場合に適用されます。(園児への見舞い等)
日本保育士協会へ入会せず保険だけ加入はできる?
保育士賠償責任保険を付帯している会費になっていますので、日本保育士協会の会員になることが条件です。
会費(年会費)は2,000円という安さですので、会員になることをおすすめします。
日本保育士協会への入会資格がない人はどうすれば?
日本保育士協会の保育士賠償責任保険以外に損害保険はあるのでしょうか。
協会への入会資格がない場合に不安になりますね。
今現在、保育士個人がこの保険以外の賠償保険に加入する方法はありません。
そこで、ご紹介するのが施設管理者賠償責任保険です。
保険は個人だけではなく、保育園にとっても大切なものなのです。
保育室内にある用具、園庭にある遊具など、その用具の不備によっても事故は起こります。
そんな園内で起きた事故全般を保証してくれます。
もちろんこの保険には、 保育士の不注意によって起こった事故にも対応しています。
※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。