多くの園では発表会でクラスごとに劇の出し物をします。
園によっては、オペレッタでCDを流しておけば子ども達が自分で歌ったり踊ったり出来るところや、CDなどは一切使わず全員がそれぞれセリフを覚え、劇中歌を歌うところなど様々です。
歌の伴奏もCDだけの園もあれば、全て保育者がピアノで弾かなくてはならないところなど園によって色々とやり方があるので、劇の題材を決める前に必ず先輩保育士に確認しましょう。
また、過去の劇の映像が園に残っていれば劇を考える材料として使えると良いですね。
過去の劇からヒントを得ることも良いですが、これから始まる劇の練習で子ども達が楽しんで練習に参加してくれるためには『子ども達が興味や関心を持てる内容である』ということが重要です。
なので、クラスの子ども達が気に入っている絵本などから選ぶことも効果的ですよ。
園ではセリフや劇中歌、衣装のデザインを考えるのも全て保育士で、歌の伴奏もCDは使わず保育士のピアノの演奏です。
このクラスは28人クラスで時間は8分くらいでした。
このくらいの年齢の子ども達はセリフを言うのもとてもゆっくりなので、
セリフも劇中歌も短いものを用意して、子ども達がすぐに覚えられるよう配慮しました。
あまり難しい言葉や、長いセリフだと子ども達も覚えるのが大変で劇の練習が苦痛になってしまいます。
参考元:更木保育園
このクラスは30人でしたが、劇とダンスに分かれるので劇の子ども達は15人で時間は10分くらいでした。
3歳児に比べれば滑舌もはっきりとしてきて、少し長いセリフを言うことも出来ます。
ただ、個人差もあるので長いセリフを覚えられる子、大きな声で言える子、それぞれに合ったセリフを用意しました。
引用元:社会福祉法人彩光会あけぼの
普段の生活から、保育士が重い荷物を運ぶときなど子ども達が自ら気付いてお手伝いをしてくれる習慣がありました。
みんなで「よいしょ、よいしょ」と言いながら協力する姿を見て、このクラスらしい劇はこれだと思いました。
保育士だけでなく、困っているお友達にも手を差し伸べられる子が多かったので、それを劇にすれば子ども達も楽しんで練習に参加できると思い選びました。
子ども達の気に入っている絵本から選びました。
気に入っている絵本は他にもいくつかあったのですが、家庭でも子ども達が劇の練習や、保護者に園での練習の様子を話したときに、保護者も知っている童話であれば家庭での話も弾みますね。
悪役のオオカミも最後はきちんと謝って、みんながお友達になるというお話にアレンジしました。
相手を思いやる優しさや許すことの大切さを感じてもらいたく選びました。
初めての劇だったので見ている人に子ども達の楽しんでいる様子を見てもらいたく、セリフは繰り返しがほとんどで覚えやすいものにしました。
3歳児ならではの元気さが表現できればと思い「大きな声で」という事を常に言いながら練習に励みました。
「困ったな~」を「とまったな~」、「うんとこしょ」を「うんとこちょ」など、まだセリフを上手く言えない部分もこの年齢の子ども達の可愛さです。
そこは指摘せず、元気に出来れば良しとしてたくさん褒めて練習を進めました。
セリフや歌を歌いながら身振り手振りをつけられるようにしました。
また、それぞれのセリフの身振りや手振りは子どもたち自身に考えてもらいました。
なので、とても面白い振り付けを考えてくる子もいて、練習中もクラスが笑いに溢れ、本番では保護者も他の保育士も盛り上がりました。
劇中歌の振り付けは保育者と子ども達で相談し、練習の段階から自分たちで考えて劇を作れるようにしました。
自分で振りを付けた方が、子ども達も自分のセリフや歌に愛着を持ち、廊下や園庭など劇の練習以外にも歌って他の保育士に自慢気に披露する姿もありました。
また、登場人物になりきって演じられるよう「ここは嬉しそうに!」「ここはドキドキした感じで!」などとアドバイスをしたので、子ども達も役やその場面に合った役作りを楽しんでいました。
お友達と一緒に「うんとこしょ、どっこいしょ」の掛け声を言うのがとても楽しかったようで、練習初日からここのセリフはとても大きかったです。
また、普段の生活でも「うんとこしょ、どっこいしょ」とお友達と楽しんで言い合っている姿もありました。
このセリフを言いたいが為に重いものを持ってみたりする姿もあり、どの子ども達もすぐにこの劇を気に入ってくれました。
劇の中で
という場面があったのですが、このシーンがみんな大好きでした。
練習中は楽しみながらも、他のお友達がセリフを言っている時や、舞台袖で待っているときは静かにしなくてはいけません。
ですが、ここの「キャー」のセリフの時はどの子も大きな声で言う事を楽しみに待っていました。
子ども達の掛け声や大きな声でセリフや歌を歌う姿に感動する方が多くいました。
クラスみんなで1つの劇を作り上げるのは、この年齢の子ども達にとって容易な事ではありません。
大きな声で言えない子、いつもは元気なのにみんなの前に出ると黙ってしまう子、簡単なようでも子ども達にとっては大変なことです。
本番も緊張して自分のセリフが言えない子もいました。
しかし、上手に出来たかではなく楽しんで劇に参加している様子を保護者や他の保育士にも見てもらうことが出来ました。
などの声がありました。
最後にオオカミと赤ずきんちゃんたちがお友達になるシーンがとても好評でした。
絵本では、オオカミは水を飲もうと井戸を覗き込んだら、転落して死んでしまうというものでしたが、
オオカミ役の子も最後まで笑顔で終わって欲しいというねらいで変更しました。
という反応が多かったです。
自分の出てくるタイミングを覚えさせるのが大変でした。
自分のお名前(役柄)を言われたらお返事をして出るように伝えたのですが、自分の番が来るのがまだだと、ついついよそ見や他の事に意識が行ってしまうようでした。
自分の出番を待っている間もお友達を見ていられるよう指導するために、劇中歌は舞台袖の子ども達も一緒に歌えるよう工夫しました。
劇の練習になると楽しくてお友達とのお話が増えたり、お友達と話していて自分の番を忘れている子もいました。
そのため、きちんと集中して練習することを何度も言っていました。
また、このくらいの年齢になると赤ずきんちゃんの役をやりたい女の子がとても多く、役決めに時間がかかりました。
どんな役でも「一人一人が大事な役」という事を最初に説明をしました。
また「おおきなかぶ」のような繰り返しのお話の時は、劇中歌も同じものを繰り返して歌えばよかったのですが、今回はそうも行かず、曲をいくつも用意しました。
子ども達に覚えてもらうのも大変でしたが、保育者がピアノの練習をするのも大変でした。
もし、ピアノが苦手な方は同じ曲でも簡単な伴奏の楽譜を探した方がピアノの練習時間の短縮になりますよ。
発表会の時期は、普段の仕事にプラスして小道具作りなどの細かい作業もあるので、ピアノの練習時間は極力少なく出来るようにすることをお勧めします。
コチラの記事もご覧下さい。
「これは手応えあり!【体験談】保育の0歳児遊びの種類」、
「これは手応えあり!【体験談】保育の3歳児遊びの種類」、
「これは手応えあり!【体験談】保育の5歳児遊びの種類」
※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。