実習で4歳児を担当していましたので少しは分かっているつもりでいましたが、実際に園児の対応にあたっていますと全然違いました。
先輩のA先生が担任をされていたのですが、少しでも助けたいと思いながらも、
足を引っ張っているという感じの毎日だったのです。
そんなある日、今までも何回かあったのですが、A先生がご出張のときに担当していた5歳児の女子Bさんと男子のCくんが喧嘩をしたのです。
引用元:ありんこ保育園
周りにいた園児たちに聞くとAさんがBくんの遊んでいたおもちゃを横取りしたようです。
けがはAさんの方にすり傷があった程度で大事にはいたらなかったのですが、
お隣の主任の先生には詳細に伝えておきました。
お母さんのお迎えの時間がきて、どちらの親御さんにも同じように伝え仲直りをきちんとしたことも伝えました。
けんかについては保育園での子どものケンカは本当に保育士が止めなくてよい?をご覧ください。
すると、Aさんのお母さんが
事実を伝えたことでこんなに怒られるなら言わなければよかったと思ってしまったのも事実です。
けがのこと(擦り傷といってもそんなにたいしたことはないのに…)でAさんが悪いと責めたように思われたようでした。
喧嘩は、園児同士のおもちゃの取り合いで起こったことですから、仲直りができてよかったと思っていたのに、2年目でもちろんまだ独身保育士の私にとって「親の気持ちなんて分からない」と言われた言葉が強いインパクトで心に残ってしまいました。
保護者と話された園長先生は、何にもなかったような顔をして「新人保育士なら保護者の対応で失敗することはいっぱいあるわよ。どんどん経験することが大事だよ。」と慰めてくださったので少しは心が落ち着いたような気がしていました。
「ごめん、私がいない時にこんなことになっちゃって。でもね、あのお母さんがあんなに怒られたのは、なぜだか分かる?」
と疑問を投げかけてくださいました。
私は、自分の説明不足をあげましたが、先輩の言われた点は違いました。
これらの先輩の言葉にハッとしました。
単なるけんか、ちょっとした(たいしたことのない)怪我と思った私がなんと情けないと、ショックを受けたものです。
その日から、「プロ」という言葉をしっかりと受け止めて、副担任ではありますが、担任のA先輩の協力も得て、保護者対応の実践をさせていただく機会を多く与えていただき、保護者の方との信頼関係作りに努めていきました。
信頼関係の詳細は【子供・保護者】保育士の信頼関係の築き方 私だけ築けない・・・をご覧ください。
先生なんて、親のことなんか何もわかってくれていないという思いを持っているようです。
そういう場合は何を言っても無駄です。
うなずきながら話を聞いて、「お母さんのこういう部分についてはよくわかります。」という言い方で、肯定できる部分については大げさに肯定するようにします。
そうすることで少しでも
「親御さんの思いのわかる先生」というイメージを持ってもらうことが大切です。
保護者の中には、普段のストレス発散のはけ口として保育士に対して苦情を言ってくる場合があります。
そんな時には、あなただけが対応するのではなく、先輩の保育士も一緒に対応することが大切です。教育そのものについてではなく、クレームを言ってくるのです。
クレームの対応は保育士へのモンスタークレーム。上手い下手な人の対応態度の違いをご覧ください。
子どもを放任あるいは、子どもの思いのままにさせる保護者になります。
放任の場合の親の態度は、後をついていく子どもを振り向こうともしない、そしてついてこない時には、大声で「早くついといで!」と強い口調で言います。
子どもの面倒を見るのが面倒くさいというタイプです。
また、親が子どもの言いなりになっている場合もあります。
幼児期から信じられないでしょうが、親の思いの中に「子どもに嫌われたくない」という思いが強く、子どものわがままを受け入れてしまっている場合です。
子どもは「わがままを言えば聞いてくれる」と思い込んでいるという親子関係にあるタイプです。
この二つのタイプの保護者は、子育てを放棄している、子育てに不安があるのです。
いずれの場合にもその親の態度は子どもに影響し、保育園での生活の中でお友達や先生に対して何らかの問題が起こっているはずです。
このような場合には、先輩保育士も交えて保護者とゆっくりと話す機会を多く持つことです。
いわゆる「教育ママ」です。
子どものしつけや教育に過剰な姿勢をみせます。
いい親であることを前面に出してしまい、子どもにプレッシャーをかけすぎてしまうのです。
自分の子どもをこう育てるという思いが強すぎるのです。
このような親御さんの場合、保育士さんの保育に対する意見は多くなります。
子どものことを褒めることで、「私の家庭教育は正しい」と思われることでしょう。
園の取り組みや保育士さんの頑張りによって成長しても「私の家庭教育がいいから」と思われるのです。
こういう親御さんは、保育士の言葉遣いや態度をしっかりとチェックされますので十分気を付けなければなりません。
うつ症状を持たれている保護者の方とは、しっかりとお話をしてあげることです。
話し相手を求めておられる場合が多いです。
社会性に乏しく、ほとんど会話のない生活を送っておられる場合もあります。
保育士さんという話し相手は貴重な存在と言えるでしょう。
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※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。