保育士になってはじめは、大勢の子ども達を相手に緊張してしまい笑顔も引きつり、言葉が中々出て来ない…と悩む方も少なくありません。
どのように声を掛ければいいか分からず、結局子どもから声を掛けて来てくれるのを待ったり、先輩保育士が促してくれるのを待っていたり…。
保育の中で『言葉掛け』がとても大切なことは分かっているのだけれど、中々良い声掛けが出来なかったり「この声掛けでいいかな?」と悩んでいたら、結局声を掛けらずに終わってしまったりという事もよくあります。
新米保育士にとってどんなときに役立つ言葉かけですか?
保育士になって大勢の子ども達の前で話をするときに注意しなければならないのは
『子ども達の注意を自分に向けてから話す』という事です。
お友達とお話していたり、違うところを見ていたりすれば先生の話声は全く入って来ません。
そんな時は
と呼んで自分の存在をアピールしましょう。
最初は近くの子しかお返事をしてくれないかもしれません。
しかし、数回繰り返すと遠くにいる子ども達も何だかみんながお返事してる!あっ!先生が呼んでる!と気付いてくれますよ。
子ども達が自分に集中したらお話を始めます。
「今から先生がお話するから『おへそは先生の方』に向けて『ダンボのお耳』でよーく聞いてね。」と声を掛ければクラスの子ども達は一気にお話を聞く姿勢になります。
『おへそは先生の方』は、顔だけでなく身体全体を保育者の方に向けることで集中力を高めます。
『ダンボのお耳』と言う時は、分かりやすいように両手を耳に当ててダンボの耳を作ると
「大きなお耳でしっかりと聞かなきゃ!」と意識させることが出来ます。
これは、低年齢クラスや入園したての子ども達、進級したてで落ち着かない頃の子ども達に使うと効果的です。
もう少し子ども達が慣れたら
「みんなが『かっこいい姿勢』になったらお話しようかな!」
と声を掛けるだけで、子ども達は背筋を伸ばして自然と話を聞く姿勢になりますよ。
低年齢クラスの子ども達には、静かにして欲しい時にお口はチャック』だよ。
と声を掛けたり、実際にお口にチャックをする真似をしたりすると低年齢の子ども達も意識しやすいですね。
また、3,4歳児になると一人で上手にお着替えが出来るものの、中々着替えに取り組めない子や着替えに時間がかかる子もいます。
そんな子ども達には誰が『お着替え選手権』で一等賞になれるかな~!?
と声掛けするのも子ども達が楽しんで着替えてくれましたよ。
途中、保育士が中継をしてあげると子ども達も盛り上がります。
- ○○選手はもうズボンを履いています!
- △△選手は脱いだものをきちんと畳んでいて偉いですね!
- ××選手は…動きが止まっていますが大丈でしょうか?!」
この『お着替え選手権』の効果で、クラスの子ども達みんなの着替え時間がぐんと短縮され、その後の自由遊びの時間もたくさんとることが出来ました。
偏食が激しい子には頑張って半分は食べよう? 一口は食べよう?
と声を掛ける保育士も多いかと思います。
それでも子どもは中々一口が食べられません。
そんな時は保育士が食べられないものをお皿の上で半分に分けます。
半分でも、一口でも頑張って食べた子どもの頑張りはきちんと受け止めて褒めてあげてくださいね
実際、こんなにうまくできないという人へのアドバイス
言葉掛けはいかに子どものやる気を引き出せるかが重要です。
中々上手くできないという人は、まずは子ども達の『いいところ探し』をしてみましょう。
- 「○○ちゃんは大きな声で挨拶が出来てすごいね。」
- 「年少さんをお部屋まで連れて行ってくれてありがとう。さすがお姉さん!!」
- 「××くん、お着替え早く出来るようになったね~!すごい!」
このように、先生が笑顔で褒めるだけでもその子の自信に繋がります。
また、先生に褒めてもらった嬉しさを味わい「明日も頑張ろう!」と次に活かすことも出来ます。
話し始める時にざわざわとして静かにならない時も、
静かに待ってくれている子を褒めるだけでも効果はありますよ。
- 「早く着替えて!いつまで遊んでるの!?」
- 「先生が話しているんだからお話しちゃダメでしょ!!」
- 「給食全部食べないと遊びに行かせません!!」
このようにマイナスな言葉掛けは子どものやる気をなくすだけでなくあっ、先生に怒られちゃうから早くやらなきゃ。と思われてしまいます。
これは子どもを保育者の権力で抑えつけているのと同じです。
周りでこの言葉を聞いている子ども達も嫌な気持ちになり、その場の雰囲気を悪くしてしまうので絶対にやめましょう。
※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。