保育士が、シュタイナー教育の保育園に転職するメリット・デメリットは?

シュタイナー教育

芸術性や創造性を引き出すとして、保護者だけでなく保育士からも注目されている「シュタイナー教育」。

しかし「シュタイナー教育の施設って、働くとどんなメリットがあるの?」と疑問に思う保育士も多いでしょう。 今回は、シュタイナー教育の保育園に転職するメリット・デメリットを3つずつご紹介します!
 

1.シュタイナー教育とは?

 
シュタイナー教育とは、20世紀初めに哲学者のルドルフ・シュタイナーが提案した教育法です。
 
現在は、世界で60か国中1,000校以上のシュタイナー学校が、存在しており、日本でも「学校法人シュタイナー学園」や「東京賢二シュタイナー学校」などのシュタイナー学校が設立されています。

シュタイナー教育の主な特徴は、以下の通り。

  • 自由な意思決定ができる人格形成
  • テレビ、ゲームは基本的に禁止
  • 自然素材のおもちゃで遊ぶ
  • 「オイリュトミー」と呼ばれる運動芸術が盛ん
  • 「フォルメン」と呼ばれる線描や、水彩などの芸術活動が盛ん
基本的に芸術性・主体性・創造性を中心とした教育が、実施されており、学校や法人によって、ゲームやテレビが禁止というルールもあるようです。 ただ、細かい方針は、施設によって異なるので、転職の際は、入念な下調べが必要になります。

2.保育士が、シュタイナー教育の保育園に転職するメリット3つ

保育士や幼稚園教諭が、シュタイナー教育の保育園・幼稚園に転職すると、どんなメリットがあるのでしょうか? ここでは、転職するメリットとともに、具体的な教育内容も併せて解説します。

①芸術系の分野に詳しい保育者には、うってつけの教育内容

シュタイナー教育は、芸術活動がとにかくさかん!
 
上記でもご紹介した通り、シュタイナー教育を実践している園では、芸術活動が教育の中心となります。
芸術活動 教育・保育内容
オイリュトミー 音楽のリズムやメロディーに含まれるエネルギーを身体で表現するもの。心的体操とも呼ばれる
フォルメン 線を描いて物体を表現すること
水彩(にじみ絵) 濡らした紙の上に、色のついた筆で色をしみこませる表現法

フォルメンに限っては、小学生以降に行うことが多く、幼児期には、あまり行わない施設もあるようです。

ただ、オイリュトミーのひとつである、リズム遊び、「ライゲン」や、にじみ絵などの芸術活動は、どの保育園でも行われています。 そのため、芸術系の分野が好き、あるいは得意な保育士にとっては、能力を最大限に活かせる職場といえるでしょう。

②園の方針がハッキリしていて、わかりやすい

シュタイナー教育の根幹は「主体性!」
 
求人票では、すばらしい保育・教育方針を掲げているにも関わらず、実際に就職したら、全然違った、または、担任によって方針が違いすぎる…という園は、案外多いものです。
しかし、シュタイナー教育では「自由に意思決定できる人格形成」という方針が、どの園でもしっかりと根付いています。

保育内容は違っても、方針が同じらならば「一体どんな保育を目指せばいいの?」と困ることはありません。

③世界へ羽ばたく保育士になれる!

シュタイナー教育は、世界的に注目されています!

シュタイナー学校は、世界各国に設立されています。以下、世界のシュタイナー学校・幼稚園の数です。

学校数 幼稚園数
ドイツ 237 561
アメリカ 123 157
オランダ 90 72
オーストリア 50 31
スウェーデン 43 74
ハンガリー 34 52

最近では、中国をはじめとするアジア各国でも、シュタイナー教育の施設が、増えつつあります。

日本でシュタイナー教育を学べば、いずれ世界へ羽ばたける保育士になれるでしょう!

3.保育士がシュタイナー教育の保育園に転職するデメリット3つ

次に、シュタイナー教育の保育園・幼稚園に転職するデメリット3つをご紹介します。

①シュタイナー教育についての知識が必要

シュタイナー教育は、神秘的学説・人智学も基づく独特な教育思想が実践されています。
  • 肉体と精神の結びつきに対するスピリチュアル的な考え方
  • 子どもの成長段階を7年間に分けた指標「7年期」
  • ヨーロッパに古くから伝わる「四体液説」に基づいた「4つの気質」

シュタイナー教育は、以上のように少々難解な教育思想から成り立っている教育法なのです。

もちろん、すべてを理解する必要はありませんが、シュタイナー教育の根幹を理解するために、身に付けるべき知識は、たくさんあります。

②おもちゃも製作も自然素材なので準備が大変

園によっては、プラスチック製のおもちゃがNGなことも!
 
シュタイナー保育では、木製のおもちゃか、布や木切れなどの自然素材を使ったおもちゃが好ましいとされています。
 
そのため、おもちゃを手作りしなければならないことも…!

子どもが、毎日触るものですから、作っては修理しての繰り返しになることも多いのです。

準備に手間がかかるのは、忙しい保育士にとっては手痛いデメリットといえますね。

③独特の教育概念のため転職前の保育園とのギャップが激しい

転職前の保育園の習慣が抜けない…! これは、どの保育園・幼稚園に転職しても共通する悩みですね。
 
ただ、シュタイナー教育の施設は、しっかりとした教育概念があるので、比較的ゆるい方針の施設から転職した場合は、あまりのギャップに気後れしてしまうことも。

転職前には、見学や下調べを入念に行ってから転職に臨みましょう。

4.シュタイナー教育の以外にも個性的な方針の保育園はいっぱい!

「芸術性」や「主体性」を重んじる個性的な方針が特徴のシュタイナー教育。

興味のある人は、ぜひ転職先候補として、リサーチしてみてくださいね。 また、シュタイナー教育以外にも、個性的な方針の保育園はたくさんあります。 転職サイトを利用して、あなたにぴったりの保育園を見つけてみましょう!

参考文献: Waldorf World List 2017 日本シュタイナー学校協会

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