平成25年時の厚生労働省の調査によると、男性保育士の割合は4%です。
  
 同年の調査では、潜在保育士(保育士登録者)は119万人、うち保育士として勤務しているのは43万人です。
 つまり、平成25年時点の男性保育士の人数は1万8000人。  
 平成22年では、わずか2%だったので、数年で人数が2倍になったということです。
    
 こう考えると、かなり増えた印象ですよね。
  
 保育現場では必要不可欠な男性保育士ですが、悩みの種は尽きません。 
 男性保育士のメリット3つ
 保育園内で父親的存在になれる
   男性保育士は、子どもたちの父親・お兄さん的存在です。
        
 職員のほとんどが女性の保育現場。
  
 しかし、保育に必要なのは、女性特有の“母性”だけではありません。
  
 どっしり構えて子どもたちを見守る“父性”も必要です。
  
 男性保育士にばかり懐く子供もいますね。
  
 子どもにとって、毎日一緒に遊んでくれる男性は、男性保育士以外にいません。
  
 父親に遊んでもらう子どももいますが、中には、父親が仕事で忙しくかまってもらえないという子もいます。
  
 母子家庭で、男性と関わる機会がない子どもいますね。
  
 そんな子どもにとって、男性保育士は父親代わりの存在なのです。
  
 体格を活かした運動遊びや、男性特有の安心感から、子どもに大人気の男性保育士。 
 
 女性保育士、男性保育士、両方がそろえば、より家庭的な雰囲気を作ることできるので、保育業界からも重宝されている存在です。
  防犯対策として活躍
     
 子どもと女性を狙った犯罪はたくさんあります。
  
 2017年、大分県で刃物を持った男が子ども園に押し入るという事件が発生し、世間に衝撃を与えました。
  
 保育業界でも、お散歩中に不審者と遭遇したという話もたまに耳にします。
  
 不審者にとって、子どもと女性だけの空間はターゲットになりやすいのです。
  
 そんな時、男性保育士がいれば、不審者が寄り付きにくくなります。
  
 もちろん、施設の施錠や不審者対策の訓練など、保育園全体に防犯対策に取り組むのも大切です。 
 
 ただ、男性がいるだけでも、女性の不安は軽減されるので、男性保育士は、女性保育士にとってありがたい存在なのです。
    
 保護者も安心して子どもを預けることができますね。 
 男性保育士がいるだけで場が和む
     
 人間関係が複雑なことで有名な保育士。 女性だけの職場の場合、互いに気を遣いすぎてギクシャクしたり、対抗心を持ったりと、様々なトラブルが起こりやすいのです。
  
 しかし、男性保育士が1人いるだけで、職場の雰囲気が和むことがよくあります。
  
 実際、男性保育士が保育園に来てから、陰口や過剰な愚痴が少なくなったというケースもあるぐらいです。 
 
 「女性だけ」という限られた閉鎖的な場では、精神的に追い詰められることが多く、そこに男性が入ることによって、開放的で穏やかな雰囲気になるからです。
    
 「共感」を大切にする女性とは違い、論理的で「中立的」な考え方をする男性保育士。
  
 そのどっしりとした、安心感のある雰囲気はとても魅力的ですね。 
 男性保育士のデメリット3つ
 力仕事や雑用ばかり頼まれる
     
 女性よりも体格がよく、体力もある男性保育士は、力仕事を任されることがたくさんあります。
  
 例えば、園庭の三輪車や一輪車などの重い道具の片付け、ゴミ出しや草むしり、雪かきなど、数えきれないほどの雑務を任されるのです。
  
 さらに男性保育士を悩ませているのは、「やって当たり前」という女性保育士の圧力です。
  
 いくら体力があるといっても、男性1人ですべてをこなすには無理があります。
  
 仕事は男性だけに押し付けず、全員で役割分担をすることが大切です。 
 
 「体力仕事や雑務を任されすぎてつらい」という人は、男性の園長や信頼できる先輩に相談してみましょう。
  女性職場のため肩身が狭い
     
 小さい保育園では、男性の更衣室がなく、やむを得ずトイレで着替える男性保育士もいます。
  
 また、更衣室はあっても、そこが休憩室としても使われる場合、必ずノックをして入らなければなりません。
  
 「もし、誰かが着替え途中だったら…」とヒヤヒヤする思いを抱えている男性保育士。 一歩間違えれば、セクハラ、、、ということも。。 
 
 中には、無駄なストレスを減らすために、更衣室に「着替え中」「休憩中」「昼寝中」という札をドアに引っかけている保育園もあります。
    
 ほかにも、陰口やウワサ話に介入せずにいたら、「~だと思わない?」と共感を強要されるという悩みも。
  
 女性はコミュニケーション能力が高く、男性よりもおしゃべりを好む傾向があります。
  
 中には、そんな女性保育士のペースについていけず、孤立してしまうこともあるようです。
  
 しかし、
無理して相手に合わせる必要はありません。  
 女性は話をしてストレスを発散させている節があるので、あまり気負わず、気楽に話を聞いてみましょう。
  女児との接触を問題視される
   女児のおむつ替えについての論争が波紋を呼びましたね。
        
 2017年の1月、千葉市は「男性保育士活躍促進プラン」を発表しました。
  
 このプランには、男性用の更衣室やトイレの設置や、男性保育士への理解やキャリア支援について記されています。
  
 しかし、プラン発足に伴い、「男性保育士におむつ替えをさせないでほしい」という保護者の意見がありました。
  
 千葉市長は、これに対し「これは男性保育士への性差別になりうる」とTwitterで発言し、加えて、「今後も男性保育士は通常通り、おむつ替え業務を継続させる」とコメント。
  
 確かに「男児のおむつ替えを女性保育士にさせないで」というクレームはないのに、男性だけ苦情が集まるのは、差別的ですよね。
  
 しかし、親の気持ちを考えると、仕方ないことなのかもしれません。
  
 以上のように、男性保育士に対し、不信感を持つ保護者は少なからずいます。 
 
 信頼を得るには、日頃のコミュニケーションが大切です。 元気に挨拶をしたり、子どもの日々の様子をこまめに伝えたりすることで、信頼感が生まれるはずです。
    
 日頃から心がけていきましょう。 
 今の職場がつらすぎる!そんな時は転職もアリ
   男性保育士を歓迎してくれる保育園はたくさんあります。
        
 男性保育士が増加傾向にある現在、多くの保育園がその力を必要としています。
  
 もし、今の職場の不満が絶えないのなら、転職も視野に入れてみましょう。
  
 ただ、転職するとなると、「給料が下がるのではないか」「ホワイトな園の見つけ方がわからない」など、不安に感じる人も多いと思います。 
 
 そんな時は、転職サイトや転職エージェントの利用がおすすめです。
 保育士転職サイトは初めての転職する人の強い味方
  転職サイトに登録すれば、あなたにぴったりの職場が見つかります。
   
 転職サイトは、保育園の求人を集めたサイトです。
  
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 応募もネット上で済ませるので、
最短2~3種間程度で内定が決まることも。  
 一方、転職エージェントサービスを利用すれば、一般には公開していないような、好待遇の求人を紹介してもらえます。
  
 履歴書の添削や面接対策、応募先との仲介まで、全面的なサポートが受けられるので、ぜひ利用してみてください。
 男性保育士として働き続けるために
   今後も現場で働き続けるには、働きやすい職場を確保することが何よりも大切です。
        
 いくら子どもが好きで、仕事に対する熱意があっても、環境や待遇が悪ければ、働き続けることはできません。
  
 今の現場に、不満や悩みがあるなら、上司に相談し、人間関係を良好にしたいのなら、周りの保育士や保護者と積極的にコミュニケーションを図りましょう。
  
 それでも改善されない場合は、転職も1つの選択肢です。
  
 生き生きと働ける職場を見つけ、新しい一歩を踏み出してみましょう。
  
 男性歓迎の保育園を見つけたい人は、
保育士プロを利用してみてくださいね。
   
 参考元:平成27年度 厚生労働省 「保育士等に関する関係資料」
  平成29年度 千葉市 「千葉市立保育所男性保育士活躍推進プラン」