最近、集団生活を送ることに困難を抱えてくれる子ども、落ち着きがない子ども等が増えています。
このような子どもたちへ、どう対応すればいいの?
現場は専門家のアドバイスを必要としています。
こんな時に、障害についての知識をもった加配保育士がいると、子どもへの見方やかかわり方が分かり、心強いものです。
加配保育士は、単にクラスの補助的役割を担うのが仕事ではありません。
配慮の必要な子どもの特性をつかみ、集団生活を支えるプロであるといえます。
障害に対する知識が必要になります。
障害に対する知識と言われると、不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
発達障害の本を読んで、障害の特性を学んでおかれるとよいと思います。
でも実際、子どもたちは、一人ひとり、障害の特性や程度が違いますから、本の知識より、
目の前の子どもにしっかりと向き合って、子どもを理解したい、と思う気持ちがあるかないか、そちらの方が重要です。
加配保育士を必要とする子どもたちは、思っていることをうまく表現できず誤解を受けたり、どうしてよいか分からず混乱したりし、なかなか周囲からの理解を得られない子どもたちです。
生きづらさを抱えている子どもたちにとって、自分のことを理解しよう、と愛情をもって歩み寄ってきてくれる大人の存在ほど、支えになるものはありません。
加配保育士は、生きづらさを抱えている子どもにとっての、何よりの理解者となります。
しかし、現実の問題として、保護者が、障害を認め、療育手帳を申請しないと、加配保育士をつけることができません。
保護者は自分の子どもの障害に薄々気付いていても、事実を受け入れることは、つらいことであり、療育手帳を申請するまでに時間がかかることがあります。
そのため、現場としては、加配をつけたいけれど、制度上それが困難な場合が出てきます。
担任が苦労して一人で抱え込まなければならなかったり、無理な場合はフリーの保育士が見たりして、その場をしのいでいることも多いです。
もちろん、加配保育士がしっかりついて、保育を行っている場合もあります。
しかし、加配が必要な子どもが毎年入園してくるとは限りません。そのため、募集は臨時
非常勤が多いです。
加配保育士として就職しても、次の年は、健常児の子どもたちのクラスを担任したり、フリー保育士になったりすることもあります。
障害をもった子どもだけに焦点を当てて専門的にかかわりたい、あるいは、正規職員として障害のある子どもにかかわりたい、と思うならば、児童発達支援施設への就職を考えるのも手だと思います。
障害のあるお子さんのために「加配」という形で人員確保をしている保育園は多いです。
障害のあるお子さんは、どうしても健常児と同じ行動が取りにくいために、加配の保育士がそのお子さんの担当者となり保育を行います。
幼・保育園、小学校、中学校でも加配という形で先生の確保が行われています。
小・中学校では、特別支援学級として健常児と別に勉強をする時間もとられています。
障害のあるお子さんには、医療機関から認定されて、療育手帳が給付されます。
自閉症やADHDなどの精神障害、言語障害、病弱などの診断を受け療育手帳を持つことになります。
この療育手帳を持ったお子さんのために、保育士の加配がなされるのです。
ただ、まだまだ幼児ですので、万一障害があっても保護者が見抜けないケースや、保護者が認めたがらないケースがあります。
園側としても、入園してきて他の園児と様子が違うと判断して、保護者と面談後にわかるというケースもあります。
保護者と十分に話し合った上で、加配が必要かを判断するのです。
しかし、グレーゾーンのお子さんもおられます。
そんな時には園の判断で加配をするかを決めることになります。
いわゆる「加配」を担当する保育士さんには特に別の免許等(特別支援に関する免許等)は必要ありません。
しかし、加配保育士は、上述で説明しましたが、特定の目を離せないお子さんを担当しますので、障害児教育やそのお子さんに関する子ども理解という知識やスキルが必要になります。
中でも一番大切にしてもらいたいことは「健常児とともに過ごす」ということです。
その子どもさんだけを取り出して別室で保育をするのはたやすいことです。
しかし、そのお子さんをどうクラスの中で位置づけてあげるかが、加配保育士の役目なのです。
そのお子さんの障害の程度に応じて、できる限り健常児と一緒に過ごすことができるように担任の先生と話し合うのです。
しかし、地域の保育園の中で、健常な子どもたちとの交わりを大切にしたかかわりは、加配保育士ならではの仕事。
条件的には不安定だけれども、それでも、加配保育士になりたい、と強く願う人は、子どもたちのために、ぜひ、挑戦してみてください。
ADHD,LD,自閉症スペクトラム、知的障害等、それぞれの障害に、それぞれの特性があります。
例えばLDの子どもならば、対人関係は割とスムーズでお友達とは仲良く遊べるが、はさみの活動等、手先を使うことが苦手。ADHDの子どもならば、集中力が続かず、じっとしていられない、等、障害の特性に応じて必要な援助も変わってきます。
各障害について、特徴と、適切な援助方法を学んでおくことで、現場で的確な支援ができます。
障害は、その子が生まれ持ったものであり、その子の特性です。
親の育て方やしつけが原因ではありません。
しかし、多くの親は、「自分の育て方が悪いのだろうか」と悩んでいます。
そのため、なかなか障害を受容できないケースもあります。
障害を受け入れ、向き合っていくということは、それほど大変なことです。
保護者の抱えている困難さを責めるのではなく、そっと寄り添えるような存在でいたいものです。
保護者が信頼して心を開いてくれるような、カウンセリングマインドを身につけたり、
日々の悩みを具体的にアドバイスできるような技量を身に着けておくとよいと思います。
私は以前、公立幼稚園の加配として働きましたが、その時は市の市政だよりから「特別支援保育補助員募集」という人事募集を探したのがきっかけでした。
市によって募集の仕方は色々だと思いますが、公立の園を希望される場合は、まず自分が勤めたい市のホームページを覗いてみることをおすすめします。
園には、加配保育士をつけることはできないけれど、集団生活になじみにくい、いわゆるグレーゾーンの子どもたちが存在します。
加配保育士という枠で保育士を募集していなくても、実際は、加配保育士としての知識をもっている保育士の存在を必要としています。
必ずしも、加配保育士、という役割で仕事ができないかもしれませんが、クラス担任をしたり、
フリーの役割をしたりしながら、自分の専門性を生かして仕事をしていく、というやり方もあると思います。
専門的な知識をもっている、ということが周りに伝われば、やがて、加配保育士としての仕事が回ってくるようになる可能性も高いと思います。
フリー保育士の詳細はフリーの保育士の役割はこう考えよう。悩みや辛い事は解決をご覧ください。
もし、障害を持った子どもたちとかかわりたい、という思いが強くある場合は、児童発達支援施設、児童発達支援センターでの就職もおすすめします。
2012年に法律が変わり、現在、地域で障害をもった子どもたちの受け皿である児童発達支援施設が増えてきています。
また、かつて知的障害児通園施設と呼ばれていた施設の多くが、児童発達支援センターと名称を変え、地域の障害児施設の中核的存在として位置づけられるようになりました。
地域の幼稚園、保育所に訪問して指導する、という役割も担っていますので、こちらの方向から、統合保育に触れることも可能だと思います、
※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。