トイレトレーニング、どうされていますか。園によってトイレトレーニングの考え方は違うものですが、本記事では、この点について考察していきたいと思います。
トイレトレーニングの援助方法や考え方は、保育園によってそれぞれ少しずつ異なっています。
そのため、他園のトイレトレーニングの方法や進め方などを参考にしながら、どのように自分はこれから子どもたちにトイレトレーニングを行っていきたいのかを考え決めていくことが大切です。
トイレトレーニングというものは、保護者が保育園に対して大いに期待し、園児にとっても「おむつ」といううっとうしいものと決別できる大変重要な取り組みです。
『私の保育園では、子供用の小さな便器があり、便座に座らせるという行為を繰り返すことで、「用を足すのはトイレで」という自覚を身に付けるようにしています。
保護者の方の意識が「保育園任せ」になっているようですが、それでいいと思っています。
あるお母さんがー
と言われました。
「保育園任せ」に賛同していただき、この保育園に入園された以上、厳しい言い方かもしれませんが「お子さんのために」園ではパンツで過ごさせています。(もちろん周りの子への配慮は責任を持ちます)
ーというものです。
ですから園では、よっぽどのことがない限りパンツで過ごすのです。
保育園によっては、トイトレのサポートをしているようですが、はじめから「保育園に任せてもらう」という感覚でいくほうが「トイトレ卒業」を早めます。』
多くの保育園で、1歳児クラスから2歳児クラスに在籍している間にトイレトレーニングを進めることが多いです。
0歳児クラスから1歳児クラスに進級した頃は、自分で尿意を伝えることはもちろんのこと、おしっこが出たことを保育士に伝えたりすることはできません。
そして、トイレトレーニングをする上で最も大切な「膀胱におしっこを溜める」ということがまだできません。
そのため、1歳児クラスから2歳児クラスに在籍している頃からトイレトレーニングを進めることをおすすめします。
トイレトレーニングを始めるために必要なポイントは2つです。
この2点がクリアできていれば、少しずつトイレトレーニングを始めても良いでしょう。
引用元:のぞみの丘保育園
まずトイレトレーニングを保育士が始めるためには、いくつかの準備をしっかりとする必要があります。
まず、保育士はクラスの子ども一人ひとりのおしっこの間隔を把握するようにしなければなりません。
膀胱の大きさや成長発達は、個人差が大きく同じ月齢や年齢であっても、子ども一人ひとりによって大きく異なっています。
そのため、クラスの子ども一人ひとりのおしっこのタイミングが大体どのくらいなのかということを把握し、もし30分くらいおむつが濡れずにいられるようになっていれば、トイレトレーニングを始めるように保育士同士声を掛け合い進めるようにして下さい。
実際、おしっこの間隔を把握することは、家庭でも難しいことなのに、保育園でどうしたらいいのかと、悩んでおられる方が多いのではないでしょうか。
そんな中でもおしっこの間隔が短いお子さんの場合が、特に苦労します。
おしっこの間隔が短くなるのは、その時の気温やその子どもさんの発汗量、体調などが影響するようです。
また、トイレを意識し始めたときにも、意識が強くなりすぎて短くなることもあります。
周りの人が「おしっこは?」と頻繁に聞くことが影響するのです。
そんな時はー
ーというような声がけでいきます。
「いつでもいいんだ。したくなったら言うんだ。」という安心感を持たせてあげることが非常に重要です。
おしっこの間隔が短いときでも「おしっこをすればすっきりする」こととともに、一緒に喜んであげることも忘れないでくださいね。
オシッコが出た時に一緒に喜ぶのは大事です。
保育園でトイレトレーニングを始めようと思うのであれば、必ず保護者にもその旨を事前にしっかりと伝えるようにしましょう。
トイレトレーニングを成功させるためには、家庭との連携が必要不可欠です。
トイレトレーニングの成功は毎日の生活習慣の積み重ねの結果です。
せっかく保育園でトイレトレーニングがうまくいっていても家庭で全くトイレトレーニングが行われていないと、一向に成功には繋がりません。
また、トイレトレーニングを始めるということは、その分おしっこなどを失敗してしまい汚れものなどの洗濯ものや新しい着替えなどがたくさん必要になるということです。
保育園に子どもを預けている保護者のほとんどが仕事をしていて日中忙しく働いている保護者ばかりです。
そのため、トイレトレーニングを始めるということは保護者の負担が増えることは間違いありません。
しかし、だからといっていつまで経っても取り組まないという訳にもいかないのがトイレトレーニングです。
トイレトレーニングを始めるには、事前にしっかりと保護者の方の了解を得て、両者が協力し合って進めることが大切です。
引用元:かおり保育園
トイレトレーニングをクラス内で始める場合、事前にトイレや着脱場所、子どもの着替え入れや汚れものかけなどの環境構成をしっかりと見直す必要があります。
引用元:セーブザチルドレンジャパン
トイレトレーニングを始めるにあたって、何よりも注意をしなければならないのは、「トイレトレーニングには個人差が大きくある」ということです。
そのためー
などと言って、無理矢理トイレトレーニングを強制的に始めることは絶対に避けましょう。
ある一定の間隔でおしっこを溜めることができるようになってきたら、その間隔ごとにまずは子どもをトイレに行くように誘いかけます。
30分程おしっこを溜めることができるようになった場合、まずは30分に1回程度トイレに誘い、一旦おまるや便座に座るように促します。
最初の内はズボンやスカートやパンツなどをはいたままおしっこをすることは難しいため、全部脱いでからトイレに行っても良いでしょう。
その際、脱いだズボンやパンツなどはトイレを済ませた後自分でできるだけ着ることができる
ように、子どもが履きやすいように履き口が子どもの方になるように並べて置いておくと良いです。
トイレトレーニングの最初は、便座の横に保育士は毎回ついていき側で見守り、「おしっこ出るかな?」などと声を掛けながら励ましていきます。
そこで、上手くおしっこを出すことができれば丁寧に褒め、その成功体験を増やしていきます。
もちろん、もしおまるや便座でうまくできなくても決して叱ったりすることはせず、もう一度その子のおしっこの間隔を把握し直して、もう一度新たな間隔で誘い出すようにして下さい。
トイレが済んだらしっかりと手洗いをするように声をかけたり必要に応じて手伝います。
その後は、脱いだ服をきちんと着ることができるように援助をしましょう。
引用元:徳島赤十字乳児院
トイレトレーニングの最中は、どうしても失敗が多く1日に何回も着替えをするということがよくあります。
そのため、できるだけ着脱が楽な服装がトイレトレーニングの最中の子どもにはおすすめです。
同じズボンでも、着脱しずらい堅いデニムなどではなく着脱しやすい柔らかい素材のスウェットズボンなどがおすすめです。
オールインワンのものやオーバーオールなどもおしっこで濡れてしまった場合は全身着脱しなければならない場合があるので、できるだけ避けるようにしましょう。
女の子の冬場の場合は、ワンピースやスカートの下にタイツを履いてくる子どもがたくさんいます。
おしっこでタイツが濡れてしまった場合タイツごと着替えなければならないため、タイツではなくできるだけズボンなどを履くかタイツの替えをたくさん用意しておく必要があります。
また、パンツは普通の布パンツではなく、トイレトレーニングを始めた頃は防水布で作られている「トレーニングパンツ」を履くことをおすすめします。
トイレトレーニングは、本当に個人差があり子ども一人ひとりによって出来具合が異なってきます。
3歳になってもおむつが外れないからといって、その後もずっとおむつが外れないのかというと決してそうではありません。
そのため、できない子どもに対して強い口調で注意をする必要は全くありません。
トイレトレーニングがなかなか上手くいかないからと言って、そのような子どもに対して、ダメダメ!!
ーなどと言っても逆効果でしかありません。
膀胱の成長発達には個人差があります。
必ずいつの日かある程度の時間おしっこを溜めることができるようになりおむつではなくトイレでおしっこをすることができるようになるものです。
何でも子ども1人でできるようになってくれれば、保護者も保育士も援助が減り楽をすることができます。
しかし、まだ2年や3年しか生きていない子どもたちです。
トイレトレーニングはこれから長く続く人生の中でも取得すべき大切な生活習慣の1つです。
急いで取得することよりも、丁寧に自信を持ちながら自分のペースで取得していくことができるように、保育士は丁寧に声をかけ見守り必要に応じてしっかりと認めて励まして行くようにしましょう。
お漏らしを何度も繰り返すのに、絶対におむつは履きたくないという子どもがたまにいます。
そのような場合は、できるだけこまめにその子どもをトイレに誘うように心がけましょう。
クラスの子どもたちが1時間に1回のペースでトイレに誘っても失敗がないとしても、その子に関しては30分に1回トイレに誘うなどして、トイレに行く回数をまずは増やすようにしましょう。
そうすることで、トイレでおしっこができるように少しずつなり「おしっこを溜める」という訓練を少しずつすることができるようになっていきます。
また、お漏らしを繰り返すけどおむつを履きたくないという子は、「おむつ=赤ちゃん」などといった認識がある場合が考えられます。
その場合はその認識を上手く利用してー
ーなどと、励ましたり認めたりしながら声を掛けるようにしましょう。
その際、くれぐれも「そんなにお漏らしするなら、赤ちゃんの履くおむつを履いたら?」などと声をかけることだけはやめてください。
否定的な声かけを保育士がすることによって、一気にその子は自信を失いその後のトイレトレーニングを意欲的に取り組むことができなくなってしまいます。
そのため、お漏らしを何度もしてもあくまでもパンツにこだわるのであれば、少しでもお漏らしをする回数が減るようにトイレに誘ったり励ましたりして援助するように心がけると良いでしょう。
※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。