園児に歯磨きを教えるのは一苦労ですね。
こんな風に感じていませんか?
年齢別の遊びや他の色々な遊びについては記事終わりから
保育園では、様々な生活習慣が身に付くように援助を行う必要があります。
…など、どれも大人になっても必要な生活習慣ばかりです。
その中でも、特に日常的に大切になってくる
「歯磨き」についても保育園では指導をします。
小学校に入学すると、歯磨き指導は年に数回くらいしかないため、保育園の間にいかに
がカギになっています。
大人になった今、私たちは歯磨きの大切さを十分理解しています。
一度虫歯になってしまった歯は二度と元通りに治ることもなければ、一度失ってしまった歯はもう二度と生えてはきません。
虫歯が悪化すると激痛が走る上、歯医者さんに通い多額の治療費を支払わなければなりません。
しかし、子どもたちは私たち大人のように歯を失う怖さや不便さや大変さなどは理解しておらず、多くの子どもが歯磨きの重要性を理解できていません。
その結果、歯磨きを怠ってしまい虫歯になってしまったり歯にトラブルを抱えてしまったりします。
少しでも歯を大切にして欲しいという思いから、きちんと歯磨き指導を行いたいと思う保育士はたくさんいます。
しかし、歯磨きは日常的な習慣だからこそ、いつまでも歯磨きを飽きないように伝えることは大変難しく、保育園で歯磨き指導をする際、どうすれば歯磨きの大切さを伝えることができるのかと悩む保育士がたくさんいます。
子どもが少しでも保育園で飽きずに歯磨きを行うことができるようにするためには、保育士の行う歯磨き指導を子どもたちにとって、魅力的であるものにすることが大切です。
工夫を凝らして子どもたちがいつまでも歯磨きの大切さを感じながら日々歯を磨くことができるように援助するようにしましょう。
他の生活習慣については「保育園での手洗い指導の手順 飽きないで手洗いさせるには?」、「【思ったより難しい新卒保育士必見】トイレトレーニングの方法と進め方」をご覧ください。
そもそも、どうして子どもたちは歯磨きをすることに飽きてしまうのでしょうか。
それはズバリ「歯磨き=退屈」だからです。
歯磨きをしている間は友達とおしゃべりすることもできなければ、おもちゃで遊んだりすることもできません。
むしろ、わざわざ保育室から一旦離れて、手洗い場まで行っていちいち歯を磨かなければなりません。
それなのに、
ということがあまり子どもにとって実感として分からず、毎日毎日何回も歯を磨く必要性があるのかと感じているからです。
その結果、歯磨きはただ退屈だから
などという風になってしまいます。
歯磨きは退屈ではなく、大切なものだということを子どもたち一人ひとりがしっかりと理解できるように保育士はきちんと歯磨き指導を行う必要があります。
保育士が歯磨き指導をする上で、まず手軽なのが絵本を読むことです。
絵本を子どもたちに読むことで、歯磨きの大切さを楽しくわかりやすく伝えることができます。
などということをテーマにして描かれている絵本は現在たくさん出版されています。
歯磨き指導をする上で、便利なのが動画や映像です。
絵本でももちろん歯磨きの大切さは十分伝わりますが、動画であれば視覚的にも聴覚的にも子どもたちにより理解しやすいため大変おすすめです。
また、一つのお話しになっているものもたくさんあるので、映画感覚で大きなスクリーンに映し出してみるのも良いでしょう。
広いホールなどで暗い中お話しを上映すると特別感があり、子どもたちはより一層興味を抱きます。
子どもたちの好きなキャラクターが登場しているものなどもあるので、子どもたちに合ったものを選んでみてください。
また、見終わった後はみんなでお話しを振り返り、
などと話し合いをすることで、より実りのあるものになるので、ぜひ忘れずそのような時間も設けるようにしましょう。
保育園によって歯磨き指導を開始する時期は異なります。
そのため、自分の通っている園の方針に合わせることが何よりも大切ですが、できれば歯が生え始めた頃から少しずつ歯磨きを習慣化できるように取り入れていくようにしましょう。
歯の生え始めの頃はまだ歯は数本しか生えていないため、時間を掛けてそれほど念入りに歯磨きする必要はありません。
しかし、「食事のあとは歯を磨く」という流れを子どもたちにしっかりと習慣づけていくことはとても大切です。
乳児期の歯磨きの経験の積み重ねがあって、幼児期の子どもたちの姿があります。
歯が生え始めたばかりだから意味がないのではと疎かにするのではなく、歯が生え始めた時だからこそ丁寧に歯磨き指導を行うようにしましょう。
歯が生え始めたら歯磨き指導を始めます。
生まれて初めて行う「歯磨き」に、子どもたちは戸惑う場合が多いです。
いかに楽しく優しく行うかが大きなポイントです。
まずは、歯ブラシ自体に親しみを得ることができるようにすることが大切です。
好きなキャラクターの歯ブラシなどを保護者の方に用意してもらい、歯ブラシを警戒することなく口の中に入れる練習することから始めましょう。
誤って喉を突いてしまう事故を防ぐために、必ず保育士の足の上に顔が上にくるように寝かせて大きな口を開けてから歯磨きを始めるようにしてください。
うがいは上手くまだできないので、歯磨き粉などはつけずに軽く歯をブラッシングしたら終了です。
少しでも楽しく歯磨きを行うことができるように歌を歌いながら笑顔で進めるようにしましょう。
1歳児になるとだいぶ歯が揃ってきます。
そのため、食事の後はしっかりと歯磨きをする必要があります。
しかし、まだ1歳児では1人で歯を磨くことがなかなか難しいため、前期は保育士が歯ブラシを持って磨くようにしましょう。
立ったままだと危険なので、椅子に座らせるか、必要に応じて保育士の足の上に寝かせてから磨くようにしましょう。
その際、歯の表側だけではなく歯の裏側や奥の歯もしっかりと磨くように気をつけて下さい。
うがいはまだ上手くできませんが、練習をしていけば少しずつできるようになっていきます。
側で見守りながら声をかけ応援しましょう。
後期になってくると少しずつ歯磨きを子ども自身でできるようになってきます。そのため、子どもに歯ブラシを持たせて自分で磨くように保育士はサポートを行います。
その際、立ったままだと誤って喉を突いたり転倒してしまったりする恐れがあるため、必ず椅子に座った状態で歯を磨くようにして下さい。
子ども自身で磨くことができたあとは、磨き残しがあるためきっちりと保育士が最後に仕上げ磨きを行います。
2歳児になると、誤って喉を突いてしまったりすることなく安全に歯磨きをすることができる
ようになってきます。
そのため、立ったままでも歯を磨くことができる子どももでてきます。
その場合は、手洗い場が混雑することなく安全に歯を磨くことができるように、保育士はきちんと手洗い場の様子を見守るように心がけてください。
2歳児ではほとんどの場合自分で磨くことができるようになってきますが、磨き残しなどがある場合もよくあります。
そのため、保育士は子どもの口を必ず毎回確認し、磨き残しがないかチェックし必要に応じて仕上げ磨きなどをするようにしましょう。
なお、2歳児になると様々なことができるようになるため、歯磨きをしながら水遊びをし始める場合もあります。
そのため、水遊びをして手洗い場や子どもの服などがびしょ濡れにならないように、事前にしっかりと手洗い場の使い方を子どもたちと確認し、子ども任せにならないようにきちんと保育士は様子を見守るようにしましょう。
3歳児になると、ほとんど自分で歯を磨くことができるようになります。
しかし、中には磨き残しの子どもたちもいるため、保育士は必要に応じて確認をするようにしましょう。
また、3歳児になると「どうして歯を磨かなければならないのか」ということが少しずつわかるようになってきます。
そして、素直に「歯を磨かないと」と思うことができます。
そのため、子どもたちが「歯磨きの大切さ」をしっかりと理解し、丁寧に歯磨きを行うことができるように保育士はより一層丁寧に歯磨き指導を行うようにしましょう。
4歳児・5歳児は一人で歯を磨くことができます。
鏡を見ながら磨き残しがないか確認をしたり、歯の隅々まで届くように丁寧にうがいをしたりすることもできるようになります。
そのため、ほとんど保育士の仕上げ磨きなどはいらず、安心して見守ることができる場合が大半です。
しかし、4歳児・5歳児になると、歯磨きをすることが当たり前になり、ついつい
という気持ちが強まり歯を磨く行為自体が疎かになってしまう子どもが出始めます。
そのため、歯磨きを飽きることなく丁寧に行うことができるように様々な工夫を凝らして保育士は援助していく必要があります。
虫歯の怖さを伝えることによって、歯磨きの大切さや必要性を伝えることができます。
しかし、ただ単に
などと脅しているだけでは、子どもたちは単に「虫歯=怖い」と感じるだけで、歯磨きの大切さなどはいまいちよくわからないままです。
子どもでも理解ができるように、絵本や動画など視覚的に見せながらわかりやすく説明することで、「虫歯になると大変だ」ということを理解することができます。
もちろん、保育士自身の実体験の話も子どもたちは親近感を抱きながら耳を傾けることができるのでおすすめです。
保育士自身が虫歯になって困ったエピソードや虫歯になって嫌だったことなどを織り交ぜながら、虫歯の怖さをわかりやすく伝えるようにしましょう。
保育園で歯磨き指導を行う上で、保護者との連携は必要不可欠です。
保育園で行う歯磨きは多くても1日に1回~2回だけです。
給食のあととおやつのあとです。
朝食のあとや夕食のあと、寝る前などの歯磨き指導はどうしても家庭で保護者に行ってもらわなければなりません。
保育園にいるときだけ歯を磨いて、家に帰ってからは歯を磨かないというのではせっかくの歯磨き指導が水の泡となってしまいます。
園での歯磨き時の様子を保護者に伝えたり、家庭での歯磨き時の状況を聞いたりしてその子に合った援助を一緒に探し出して行くようにしましょう。
丁寧な歯磨きが子どもたちの日々の習慣になるように、園と家庭としっかりと連携をして歯磨き指導を行うようにしていってください。
パネルシアターで歯磨きの大切さを伝えました。
大きな口の中にどんどんおやつやごはんなどを入れていく。
台詞:「おいしいなぁ~」「もっと食べようっと」
歯磨きをしないまま、そのまま放っておくとどうなるのでしょうか・・・?
台詞:「歯磨きは面倒くさいからしないでそのまま遊ぼうっと」
虫歯バイ菌が登場。
台詞:「こんなところに美味しそうなものがあるぞ」「いたずらしちゃおう」
さっきまできれいだった歯がどんどん黒くなり虫歯になっていく。
台詞:「おいしいものがたくさん詰まっているぞ」「こっちの歯にもいっぱいあるぞ」
歯磨きをしないまま遊んでいては駄目だということに気付く。
台詞:「このまま遊んでいたら虫歯になっちゃうからやっぱり歯を磨こう」「危ない危ない、歯磨きはやっぱりしないとね」
さっきまで黒かった歯が歯を磨くことでみるみる内きれいになっていき、歯にくっついていたおやつやごはんや虫歯バイ菌がなくなっていく。
台詞:「くっそ~、せっかくおいしいおやつやごはんがあったのに~」「歯磨きでおやつがなくなっていく~」
台詞:「歯磨きをしたおかげで虫歯にならずに済んだね」「歯磨きはやっぱり大切だね」
パネルシアターを使ってお話しを進めていくことで、子どもたちはより関心を持ちながらお話の世界に入りこむことができます。
そして、歯を磨いていない状況を客観的に見て「歯磨きをしないと虫歯になっちゃうよ」ということに子どもたちは気付き教えようとしてくれました。
歯ブラシは立体的なものを作り、子どもに前に出てきてもらって一緒に磨きながらバイ菌をやっつけるとよりシアターが盛り上がります。
BGMなどを入れながら進めることでより楽しく見ることができるので、ぜひBGMも入れながら進めるようにして下さい。
ごっこ遊びの中に歯医者さんごっこを取り入れました。
歯医者さん役と患者さん役に分かれて歯医者さんごっこを行いました。
実際に歯医者さんに行ったことのある子どもが最初は中心になってごっこ遊びは展開していきました。
ドアを開ける真似から、症状を説明したり口を大きく開けたりと、遊びが日に日に盛り上がっていきました。
大きなおもちゃの注射を用意しておくことで、
などという台詞が出てきてごっこ遊びがさらに盛り上がりました。
遊びを繰り返して行く中で、「大きな注射を打たれないようにするためには歯磨きをすることが大切だ」ということがごっこ遊びの中で十分理解できたようで、「大きな注射は嫌だよね」
などと言いながら子どもたちはその後丁寧に歯磨きをするようになりました。
また、本物の歯医者さんが歯科検診に訪れた際もごっこ遊びの経験からかしっかりと歯医者さんに対して「よろしくお願いします」と挨拶をしてから口を大きく開けて待つことができていました。
診察後もきちんと「ありがとうございました」と挨拶をすることができていたので、歯医者さんごっこは歯磨き指導だけではなく歯医者さんとの接し方の良い練習にもなっていました。
この他にも、歯磨き指導には
など様々な方法があります。
今の子どもたちの姿に合った歯磨き指導を行い、歯磨きの大切さをきちんと伝えていくようにしましょう。
※このコンテンツは保育士の方に作成していただいています。