一汁三菜の和食に欠かせない日本の食卓の定番料理、お味噌汁。
近年、食の欧米化によりあまり家で作らなくなったというご家庭も増えています。
でも、そんな方はとてももったいないことをしているかもしれません。
栄養・食育の観点から、我が家のこどもたちには毎日欠かさずお味噌汁を飲ませています。
1日1杯のお味噌汁習慣が生むメリットを3つご紹介します。
発酵食品の代表格である味噌は、善玉菌のエサになる食材のひとつです。
善玉菌を効率的に増やすことによって、悪玉菌の増殖を抑え腸内環境が整います。
ひとことで善玉菌と言っても、その種類はさまざま。腸内細菌にはそれぞれ好むエサがあるため、ひとつの食材に偏らずいろいろな種類の食材を取り入れることが、多様性が豊かで健康な腸内フローラをつくります。
そのため、味噌も1種類に限らず複数の種類を取り入れるのがおすすめ。
米麹味噌、麦味噌、白味噌、赤味噌など、数種類の味噌を具材に合わせてブレンドすれば、毎日飲んでも飽きないよう味の変化もつけられます。
旅先でその地方特産の味噌を探してみるのも楽しいですね。
同じ味噌でも原料や産地によって味が違うことを知れば、こどもたちが日本の食文化に興味を持つきっかけにもなります。
たくさん味噌を揃えると使い切れるか心配・・・。
そんな方は、全部の味噌をひとつの保存容器にまとめて冷凍保存してみてください。
味噌は冷蔵庫の中でも発酵が進んで風味が変化していくので、冷凍庫での保存が適しています。
冷凍しても固く凍り付いてしまうことはないので、解凍しなくても必要な分だけそのままスプーンですくって使うことができてとても便利です。
具材の工夫次第で、より腸に良いお味噌汁に。豆腐や海藻、葉野菜、玉ねぎ、きのこは特におすすめです。
少量の甘酒を加えれば、ほのかな甘みとコクが出てやさしい風味を楽しみながら、効率的に発酵食品を取り入れることができます。
お味噌汁の良いところは、多彩な食材と相性が良いこと。具材の組み合わせ次第で、豊富なバリエーションを楽しめます。
その日の主菜や副菜に使う食材を見て、足りない栄養素をお味噌汁の具材で補うようにすると、栄養バランスが取りやすくなります。
栄養素まで考えてメニューを作るのは大変・・・という方は、『まごわやさしい』を意識するのもおすすめです。
お味噌汁におすすめの『まごわやさしい』食材
ま・・・豆類(豆腐、厚揚げ、薄揚げ、湯葉など)
ご・・・ごま
わ・・・わかめなどの海藻類(わかめ、あおさのり、もずくなど)
や・・・野菜(ほうれん草、小松菜などの葉野菜 / 大根、人参、ごぼう、蓮根などの根菜)
さ・・・魚(鮭、鯛、鱈などの魚 / 鰹節や出汁粉)
し・・・椎茸などのきのこ類(椎茸、しめじ、舞茸、えのき、エリンギなど)
い・・・芋類(じゃが芋、さつま芋、里芋など)
旬の食材は味が濃く、栄養素も多く含まれます。ぜひ旬も意識しながら具材を選んでみましょう。
お味噌汁の具材を通して多彩な食材に触れたり、旬を感じたりすることで、栄養状態が整うだけではなくこどもたちの食に対する興味や知識をひろげる効果もあります。
食卓でお味噌汁を楽しみながら「秋だから旬のきのこが美味しいね」「豆腐は大豆っていう豆から作られているんだよ」「さつま芋は土の中で育つんだよ」など、食材についてお話ししてみましょう。
お味噌汁に欠かせない出汁。鰹節や昆布、いりこなどのうま味が、具材や味噌の素材本来の味をより引き立てます。
毎日飲むものだからこそ、顆粒出汁よりも無添加の天然出汁がおすすめ。
便利な出汁パックや作り置きできる出汁粉を使えば、手軽に美味しい出汁を楽しめます。
しっかりとうま味を感じられる出汁を取ることで、塩分を抑える効果も。味噌の使い過ぎを防ぎ、塩分の過剰摂取を避けることができます。
こどもたちの味覚は、舌にある味蕾という味を感じるための器官の数が少なくなるにつれ、成長に伴ってだんだんと鈍感になっていきます。
味覚が敏感な幼少期の内にうま味を感じられる繊細な味覚を育てれば、生涯を通して薄味で素材本来の味を楽しめるように。
自然と健康的な食生活になり、塩分や化学調味料の過剰摂取による生活習慣病などのリスクを下げることができます。
腸内環境や栄養状態は、こどもたちの身体の健康はもちろん心の状態にも関係していると言われています。
やる気や集中力、学習意欲にも関わるため、ゆくゆくは将来の学力にも大きく影響を及ぼします。
腸内環境、栄養バランスが整い、味覚が育つ1日1杯のお味噌汁習慣。日々笑顔で元気に、すこやかな心と身体を育てるために、今からはじめてみましょう。
【 ライタープロフィール 】
株式会社LWL 取締役副社長
食育×幼児教育アドバイザー 藤井 菜月
生きる力・考える力・伝える力を育むおうち食育×幼児教育を全国のママやパパにオンラインで指導。ふたりの娘を育てながら、女性とこどもの支援につながる共育とヘルスケア事業を展開。
上級幼児食アドバイザー/パーソナルヘルス解析士®/ベビーマッサージインストラクター/ベビーヨガインストラクター
株式会社LWLでは、大人とこどもの腸活をサポートするプログラムをご提供しています。
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