北欧フィンランドの幼児教育・保育の特徴5つ!日本との保育内容の違いは?

教育・保育や福祉の水準の高さが有名な北欧。

しかし「実際にどんな教育・保育をしているの?」と疑問を抱く人も多いでしょう。

今回は、北欧フィンランドの教育・保育の特徴を日本と比較しながら解説します。海外教育に関心のある保育士さんはぜひ参考にしてみてください!

北欧教育・保育の特徴5つ

保育施設は大きく分けて3種類

フィンランドは男女平等の国として有名です。
 
共働き家庭がおよそ8割という国柄のため、保育施設が充実しています!
 
フィンランドの保育施設は大きく分けて3種類あります。
施設 対象年齢 主な内容
保育園 0~5歳児 通常の集団保育
就学前教育学校 (エシコウル) 6歳児 就学前の子どもが通う施設。義務教育であり、教育費は無料。
家庭保育 0~5歳児 保育士が自宅で行う少人数保育。
 
フィンランドでは幼保一元化を取り入れているため、日本のように「保育園」「幼稚園」と区別することはありません。
 
また、日本と同じように保育施設はそれぞれ「公立」「私立」のふたつがありますが、保育料も保育の質も大差がないため、ほとんどの家庭は公立・私立のこだわることなく、「家に近い」「雰囲気が合うから」という理由で、入園を決めるそうです。

フィンランドのカリキュラム

日本の保育のカリキュラムは「5領域」を元に作られていますが、フィンランドのカリキュラムは「6領域」から構成されています。

フィンランドのカリキュラムを構成する6領域の主な内容は、こちら。

  • 1. 考える力と学びにつながる学び
  • 2. 多様な文化を理解する力、人と関わり合い表現していくこと
  • 3. 日々を生きること、自分も他者を大切にすること
  • 4. マルチリテラシー
  • 5. ICTスキル
  • 6. 社会への参加、持続可能な未来を作りつづけていくこと
こちらの6領域は、就学前だけでなく、15歳までを対象としたカリキュラムです。日本の5領域と比べると、かなり高度で革新的な内容ですね。

遊びを通して数字や文字を学ぶ

フィンランドの保育現場では、直接的な「お勉強」はありません。
 
何かを学ぶ場合は、遊びの中で身に付けるのです。
 
日本では、数字や文字は、ドリルやワークを使って学ぶことが多いのですが、フィンランドでは、ゲームやおもちゃを使います。
 
積み木を使って、大きい順に並べたり、高さを競ったりして「数字」というものに触れ、保育室の中にあるアルファベットを探すゲームをしたりして、文字を学ぶのです。
 
また、6領域の中のひとつであるICTスキル向上のため、タブレットを使ってアニメーションを作る施設もあります。
 
子どもが楽しみながら、自発的に学べる環境づくりに力を注いでいるフィンランド。見習うべきことはたくさんありそうですね。

自己肯定感を育てる保育

フィンランドは、子どもの主体性と自己肯定感を育てる保育方針が特徴です。
 
フィンランドにおける教育・保育観は、「保護者がいない間に預かるだけ」というものではなく、「社会の一員として自発的に学ぶ」という、子どもの主体性を核としたもの。
 
そのため、子どもに「早く~しなさい」「みんなもう~してるのに」と強制したり、大人の思い通りになる「いい子」になるよう強要したり、ということもありません。
 
例えば、おもちゃを使って数字を学ぶときも、子どもが関心を持っていない場合は、無理して学ばせようなんてことはしません。
 
子どもが関心を持つように、別のアプローチをかけたり、関心を持つまで待ったりして、子どもを見守ります。
 
フィンランドでは、「あなたはあなたのままでいい」という自己肯定感を育てることに重点の置いているのです。
 
日本の保育園でも“個を主体”と謳いながらも、どうしても“集団”を優先しがちな日本とは大きく異なる点ですね。

座学は少なく、運動が多い

フィンランドの保育現場では、イスに座って「お勉強」することはほとんどなく、日中の活動は運動遊びがメインです。
 
もちろん、数字や文字を学ぶことはありますが、フィンランドでは「勉強よりも社交性と健康」という思想が強いため、かなり多くの時間を友だちと一緒に外で遊んで過ごしています。
 
フィンランドは自然が豊かなため、近所の森に散歩に行ったり、広い園庭で自由に遊んだりできるので、運動する場所には困りません。
 
場所によっては、冬はマイナス20度まで気温が下がることもありますが、マイナス10度程度なら子どもを外に出すことも。
 
友だちとの運動遊びを通して、子どもたちは社交性や寒さに負けない丈夫な体を作っていくのです。
 
日本では、園庭がなく、外遊びが全くない保育園も多いので、見習うべき点ですね。

日本の保育園の中にも北欧教育を取り入れている施設がある!

子どもの主体性や自己肯定感にフォーカスした教育方針が特徴のフィンランド。
 
しかし、日本でもフィンランドのように「子どもの主体性」を理念に掲げた保育園もたくさんあります。
 
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